発破の後ガスに関する記述のうち適切でないものは、次のうちどれか。…
火薬類の知識 第15問
発破の後ガスに関する記述のうち適切でないものは、次のうちどれか。
- (1)発破の後ガス中の大部分は、二酸化炭素、水蒸気、窒素であるが、一酸化炭素、一酸化窒素及び二酸化窒素といった有毒ガスが含まれることがある。
- (2)一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結合し、体内の酸素供給能力を妨げ、中毒症状を招く。
- (3)一酸化炭素は、爆薬の酸素バランスをマイナスにとればその発生を抑えることができる。
- (4)二酸化窒素は、毒性が強く、高濃度の場合は、眼、鼻及び呼吸器官を強く刺激し、せき、咽頭痛が起こり、めまい、頭痛、吐き気などの症状を招く。
- (5)吸湿又は固化した爆薬を使用した場合には、後ガス中の有毒ガスが増加する可能性が高い。
正答 (3)
正答は (3)。これが適切でない記述です。
一酸化炭素の発生を抑えるには、酸素バランスをゼロに近づける必要があります。マイナスにすると、かえって増えます。
【酸素バランス】
火薬類が完全に反応するのに、酸素が足りているかどうか
プラス 酸素が余る → 窒素酸化物が増える
ゼロ ちょうど → 有毒ガスが最も少ない
マイナス 酸素が足りない → 一酸化炭素が増える
【なぜマイナスでCOが増えるのか】
酸素が足りない → 炭素が燃えきらない
十分な酸素があれば C + O₂ → CO₂(二酸化炭素)
解説の続きをみる続きを閉じる
酸素が足りなければ C + ½O₂ → CO(一酸化炭素)
不完全燃焼と同じ理屈です。ストーブの換気が悪いと一酸化炭素が出るのと、まったく同じことが起きています。
【ほかの選択肢】
(1) 後ガスの大部分は二酸化炭素、水蒸気、窒素だが、一酸化
炭素、一酸化窒素、二酸化窒素といった有毒ガスが含まれる
ことがある 適切
(2) 一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結合し、体内の
酸素供給能力を妨げる 適切
(4) 二酸化窒素は毒性が強く、高濃度では眼、鼻及び呼吸器官を
強く刺激する 適切
(5) 吸湿又は固化した爆薬を使用した場合には、後ガス中の有毒
ガスが増加する可能性が高い 適切
【一酸化炭素の恐ろしさ】
ヘモグロビンとの結合力が酸素の200倍以上
わずかな濃度でも、酸素を運ぶ働きを奪います。無色無臭なので気づきにくく、坑内での発破後は必ず換気します。
【二酸化窒素】
赤褐色で刺激臭がある
酸素バランスがプラスに寄ると増えます。窒素酸化物は、肺の奥まで入り込み、遅れて症状が出ることがあります。
【吸湿・固化で有毒ガスが増えるわけ】
反応が不完全になる
設計どおりの反応が起こらず、中途半端な生成物が残ります。だから、湿った爆薬や固まった爆薬は使いません。
【後ガス対策】
十分な換気を行う/待ち時間を守る
出典:発破技士 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「火薬類の知識」のほかの問題
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第15問発破の後ガスに関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは次のうちどれ
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第14問火薬類の爆発反応に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第13問火工品(工業雷管等)に関する記述のうち、適切なものは次のうちどれか。
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第12問含水爆薬と硝安油剤爆薬(アンホ爆薬)の比較に関するAからDまでの記述のうち、適切でないも
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第11問火薬類の組成及び性質に関し、適切でないものは次のうちどれか。
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第15問発破の後ガスに関するAからDまでの記述のうち、適切でないもののみを全て挙げた組合せは、次
スポンサーリンク

