軟鋼用被覆アーク溶接棒の特徴について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識 第22問
軟鋼用被覆アーク溶接棒の特徴について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)低水素系は、溶接金属の機械的性質は優れているが、アークがやや不安定となりやすく、ビードの始端や継目にブローホールが発生しやすい。
- (2)高セルロース系は、過大電流で使用しても棒焼けによる被服剤の変質が少なく、ブローホールなどの欠陥が生じにくい。
- (3)高酸化チタン系は、溶込みは浅いが、アークの安定性が良く、スラグの剝離性やビード外観が良好である。
- (4)ライムチタニヤ系は、イルミナイト系に比べ溶込みが浅く、耐気孔性がやや劣る。
- (5)鉄粉酸化鉄系は、スラグの剝離性が良く、ビード外観が良好で、主として下向又は水平すみ肉溶接の1パス溶接に用いられる。
正答 (2)
正答は (2)。これが適切でありません。
高セルロース系は、過大電流で棒焼けを起こしやすい溶接棒です。「棒焼けによる被覆剤の変質が少なく、ブローホールなどの欠陥が生じにくい」というのは誤りです。
被覆剤に有機物(セルロース)を多く含むので、電流を上げすぎると被覆剤が焼けて変質し、ガスの出方が変わってしまいます。
【ほかの選択肢】
(1) 低水素系は、溶接金属の機械的性質は優れているが、アークがやや不安定となりやすく、ビードの始端や継目にブローホールが発生しやすい 正しい
(3) 高酸化チタン系は、溶込みは浅いが、アークの安定性が良く、スラグの剝離性やビード外観が良好 正しい
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(4) ライムチタニヤ系は、イルミナイト系に比べ溶込みが浅く、耐気孔性がやや劣る 正しい
(5) 鉄粉酸化鉄系は、スラグの剝離性が良く、ビード外観が良好で、主として下向または水平すみ肉溶接の1パス溶接に用いられる 正しい
【高セルロース系の性格】
有機物の分解ガスでアークを包む
溶込みが深い
スラグが少なく、スパッタが多い
立向下進溶接に向く
過大電流で棒焼けしやすい。水素は多め
パイプラインの現場溶接などで使われますが、ボイラーの重要な継手には向きません。
【低水素系の弱点】
始端でブローホールが出やすい
スラグとガスの出方が安定するまでに少し間があるので、始めのところで空気を巻き込みます。始端を少し戻ってから溶接を始めるなどの工夫をします。
【溶接棒の系統ごとの得意分野】
イルミナイト系 万能。機械的性質が良好
ライムチタニヤ系 立向上進が得意
高酸化チタン系 薄板。外観が美しい
低水素系 厚板、拘束の大きい継手。割れに強い
高セルロース系 立向下進、現場のパイプ
鉄粉酸化鉄系 下向・水平すみ肉。能率が高い
出典:普通ボイラー溶接士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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