溶着法について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接施行方法の概要に関する知識 第14問
溶着法について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)前進法は、溶接方向と溶着方向とが同一になるように溶接する方法で、後退法に比べ、終端に近い部分はひずみや残留応力が大きくなる。
- (2)対称法は、溶接線長手中央部から両端に対称的に溶接する方法で、1区間は200~300mm程度とする。
- (3)多層法は、2層以上で溶接する方法で、層数を多くするほど溶接金属の組織が粗くなる。
- (4)単層法は、薄板の溶接やすみ肉の小さい脚長の場合に用いられ、サブマージアーク溶接では16~20㎜程度の厚板を単層溶接することができる。
- (5)飛石法は、溶接線をとびとびに一定区間に区切って溶接する方法で、溶接による変形が小さい。
正答 (3)
正答は (3)。これが適切でありません。
多層法は、層数を多くするほど溶接金属の組織が細かくなります。粗くなるのではありません。
あとの層を溶接したときの熱が、前の層をもう一度あたためます。急冷で粗く硬くなった組織が細かくなり、じん性が戻ります。これを焼ならし効果といいます。
【ほかの選択肢】
(1) 前進法は、溶接方向と溶着方向が同一になる方法で、後退法に比べ、終端に近い部分はひずみや残留応力が大きくなる 正しい
(2) 対称法は、溶接線長手中央部から両端に対称的に溶接する方法で、1区間は200〜300mm程度 正しい
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(4) 単層法は、薄板の溶接やすみ肉の小さい脚長の場合に用いられ、サブマージアーク溶接では16〜20㎜程度の厚板も単層溶接できる 正しい
(5) 飛石法は、溶接線をとびとびに区切って溶接する方法で、溶接による変形が小さい 正しい
【多層法の利点】
一層ごとの入熱が小さいので、熱影響部が狭い
あとの層の熱で、前の層が焼ならしされる
欠陥を見つけながら進められる
厚板を一度に溶接せず、何層にも分けるのは、これらのためです。
【焼ならしと焼なまし】
焼ならし 高い温度に上げてから空気中で冷ます。組織を細かくする
焼なまし 高い温度に上げてから炉の中でゆっくり冷ます。軟らかくする
多層溶接の熱は、そのつど上がって下がるので、焼ならしのほうにあたります。
【溶着法の並べ方】
前進法 ずっと同じ向きに進む。終端のひずみが大きい
後退法 少し戻ってはまた進む。終端のひずみが小さい
対称法 中央から両端へ、左右対称に進む
飛石法 とびとびに区切って溶接する。変形が小さい
【飛石法の変形が小さいわけ】
一度に縮む部分を、離れた場所に散らす
出典:普通ボイラー溶接士 2024年上半期実施分(2024年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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