軟鋼用被覆アーク溶接棒の被覆剤の作用について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識 第23問
軟鋼用被覆アーク溶接棒の被覆剤の作用について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)溶接金属に合金元素を添加することにより、所要の機械的性質を得ることができる。
- (2)ガス化して中性又は酸化性の雰囲気を作り、大気中の窒素の侵入を防ぎ、溶滴及び溶融金属を保護する。
- (3)精錬作用により不純物の少ない溶接金属にする。
- (4)ビードの外観や形状を良くする。
- (5)スラグの生成により、溶接金属の急冷や溶融池の大気との接触を防ぐ。
正答 (2)
正答は (2)。これが適切でありません。
被覆剤がガス化して作るのは、還元性または不活性(中性)の雰囲気です。「酸化性」の雰囲気ではありません。
酸化性の雰囲気にしてしまっては、溶けた金属が酸化して、もろくなります。守るために覆っているのに、逆のことになります。
【ほかの選択肢】
(1) 合金元素を添加することにより、所要の機械的性質を得る 正しい
(3) 精錬作用により不純物の少ない溶接金属にする 正しい
(4) ビードの外観や形状を良くする 正しい
(5) スラグの生成により、溶接金属の急冷や溶融池の大気との接触を防ぐ 正しい
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【被覆剤の作用】
アークを発生させ、安定させ、保持する
ガス化して還元性または不活性の雰囲気をつくり、
溶滴と溶融池を大気から守る
スラグをつくり、溶けた金属を覆ってゆっくり冷ます
精錬作用により、酸素、りん、硫黄を減らす
合金元素を添加して、溶接金属の性質を整える
ビードの形と外観を整え、スラグのはがれをよくする
【大気から守るわけ】
高温の鉄は、空気中の酸素や窒素とすぐ結び付く
酸化物や窒化物ができると、もろくなります。ガスとスラグの二重の覆いで、これを防ぎます。
【窒素の侵入も防ぐ】
窒素が入ると、時効によってもろくなる
選択肢(2)は「大気中の窒素の侵入を防ぎ」という後半は正しく、前半の「酸化性の雰囲気」だけが誤りです。長い選択肢は、前半と後半を分けて読みます。
【精錬作用とは】
溶けた金属の中の酸素、りん、硫黄を、スラグ側へ移す
製鋼所で行う精錬を、溶接の場で小さく繰り返しているようなものです。
出典:普通ボイラー溶接士 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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