軟鋼用被覆アーク溶接棒の保管及び乾燥に関する記述について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識 第23問
軟鋼用被覆アーク溶接棒の保管及び乾燥に関する記述について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)溶接棒の乾燥温度は、100~120℃が一般的であるが、イルミナイト系溶接棒に関しては300~400℃で行う。
- (2)屋外で溶接作業を行うときには、携帯式の乾燥器を用いて、必要量をその都度、取り出して使用するのが望ましい。
- (3)溶接棒は、湿気により、アークの不安定、ブローホールの発生の原因となる。
- (4)溶接棒は、専用の貯蔵室のパレット又は棚上に保管し、常に内部を乾燥させておく。
- (5)低水素系溶接棒は、大気中に4時間以上放置したものは、再乾燥して使用することができるが、再乾燥の回数は3回までが望ましい。
正答 (1)
正答は (1)。これが適切でありません。
300〜400℃で乾燥するのは、イルミナイト系ではなく低水素系の溶接棒です。イルミナイト系などの一般の軟鋼用溶接棒は、70〜100℃程度で乾燥します。
選択肢は、この二つを入れ替えています。
【ほかの選択肢】
(2) 屋外では携帯式の乾燥器を用い、必要量をその都度取り出して使用するのが望ましい 正しい
(3) 湿気は、アークの不安定、ブローホールの発生の原因となる 正しい
(4) 専用の貯蔵室のパレットまたは棚上に保管し、常に内部を乾燥させておく 正しい
解説の続きをみる続きを閉じる
(5) 低水素系は、大気中に4時間以上放置したものは再乾燥して使用できるが、再乾燥は3回までが望ましい 正しい
【乾燥温度の目安】
一般の軟鋼用(イルミナイト系、高酸化チタン系など)
70〜100℃で30分〜1時間
低水素系
300〜400℃で1時間程度
【低水素系だけ高い温度で乾かすわけ】
被覆剤が湿気を吸いやすく、吸った水分が水素になる
低水素系は、水素を減らすことが取り柄の溶接棒です。湿気を吸ったままでは、その取り柄が消えてしまいます。だから、しっかり焼き直します。
【湿気が割れを呼ぶ道すじ】
湿気 → 溶けた金属に水素が入る → 冷えて閉じ込められる
→ ビード下割れ(低温割れ)
【再乾燥の回数を限るわけ】
何度もあぶると、被覆剤の成分が変わってしまう
アークが不安定になり、スラグのはがれも悪くなります。
【現場での扱い】
乾燥器から必要な分だけ取り出す
裸のまま現場に置いておけば、数時間で湿気を吸い直します。
出典:普通ボイラー溶接士 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識」のほかの問題
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第25問被覆アーク溶接における溶接部に生じる欠陥に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第24問次の図中(突合せ溶接継手)に示すA部の名称として、最も適切なものはどれか。
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第23問軟鋼用被覆アーク溶接棒の保管及び乾燥について、適切でないものは次のうちどれか。
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第22問軟鋼用被覆アーク溶接棒の特徴について、適切でないものは次のうちどれか。
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第21問軟鋼用被覆アーク溶接棒の心線について、適切でないものは次のうちどれか。
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第26問溶接の際、熱影響部に生じる溶接割れは、次のうちどれか。
スポンサーリンク

