炭素鋼における溶接部の組織及び性質について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識 第24問
炭素鋼における溶接部の組織及び性質について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)溶接金属は、単層溶接した樹枝のような柱状組織(デンドライト組織)を呈している。
- (2)熱影響部は、母材が溶接の熱で溶融温度以下に加熱され、組織や機械的性質が変化した部分である。
- (3)溶融部に近接する熱影響部は、結晶が粗く、硬さが高い。
- (4)熱影響部は、熱影響を受けない母材に近づくほど、焼なまし効果により組織が粒状化される。
- (5)溶接部に応力が残存する場合は、接する環境によって応力腐食割れが生じることがある。
正答 (4)
正答は (4)。これが適切でありません。
熱影響部の組織は、溶融線からの距離によって段階的に変わります。「母材に近づくほど焼なまし効果により粒状化される」と一口にまとめられるものではありません。
溶融線のすぐ横は結晶が粗くなった粗粒域、その外は焼ならし効果で組織が細かくなった細粒域、さらに外が球状化域、そして母材へと続きます。母材のすぐ手前は温度が低く、組織はほとんど変わりません。
【ほかの選択肢】
(1) 溶接金属は、単層溶接した樹枝のような柱状組織を呈している
正しい
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(2) 熱影響部は、母材が溶融温度以下に加熱され、組織や機械的性質が
変化した部分 正しい
(3) 溶融部に近接する熱影響部は、結晶が粗く、硬さが高い 正しい
(5) 溶接部に応力が残存する場合は、環境によって応力腐食割れが
生じることがある 正しい
【熱影響部を溶融線から順に】
粗粒域 いちばん熱かったところ。結晶が粗く、硬く、もろい
細粒域 焼ならし効果で組織が細かい。じん性はよい
球状化域 もっと温度の低かったところ
母材 熱の影響がほとんどない
いちばん危ないのは粗粒域です。硬くて、もろい。低温割れもここに出ます。
【焼ならしと焼なましは別】
焼ならし 加熱してから空気中で冷やす。組織が細かくなる
焼なまし 加熱してから炉の中でゆっくり冷やす。やわらかくなる
溶接の熱で起きるのは、冷える速さから言えば焼ならしに近い現象です。名前が似ているので、入れ替えて出題されます。
【応力腐食割れ】
残留応力と、腐食する環境が重なって起きる割れ
力だけでも、腐食だけでも起きません。溶接後熱処理で応力を取り除けば、防げます。
出典:特別ボイラー溶接士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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