溶接部に対して行われる非破壊試験に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接部の検査方法の概要に関する知識 第27問
溶接部に対して行われる非破壊試験に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)非破壊試験では、溶接部の強度を知ることはできないが、溶接部の表面又は内部に存在するきずを検出することができる。
- (2)超音波探傷試験は、放射線透過試験に比べると、より厚い材料にも適用が可能であるが、超音波の進行方向に対して垂直な面状のきずを検出することが困難である。
- (3)浸透探傷試験では、溶接部表面に開口したきずの検出方法で、非磁性体を含めたあらゆる金属に応用することができる。
- (4)放射線透過試験には、X線やγ線が用いられ、γ線は、一般にX線より波長が短く透過力が大きいが、識別度は悪い。
- (5)磁粉探傷試験では、溶接部を磁化した後、磁粉を散布し、磁粉の付着状況により表面又は表面からごく浅い部分のきずを探知することができる。
正答 (2)
正答は (2)。これが適切でありません。
超音波探傷試験で検出が困難なのは、超音波の進行方向に対して平行な面状のきずです。垂直な面状のきずは、よく反射するので見つけやすいきずです。
超音波は、面に垂直に当たれば真っすぐ返ってきます。面に平行に進めば、ほとんど反射せずに通り過ぎます。
【ほかの選択肢】
(1) 非破壊試験では、溶接部の強度を知ることはできないが、表面
または内部に存在するきずを検出することができる 正しい
(3) 浸透探傷試験では、溶接部表面に開口したきずの検出方法で、
解説の続きをみる続きを閉じる
非磁性体を含めたあらゆる金属に応用できる 正しい
(4) 放射線透過試験には、X線やγ線が用いられ、γ線は一般に
X線より波長が短く透過力が大きいが、識別度は悪い 正しい
(5) 磁粉探傷試験では、溶接部を磁化した後、磁粉を散布し、
表面または表面からごく浅い部分のきずを探知できる 正しい
【超音波探傷試験の得意・不得意】
得意 ビームに垂直な、面状のきず(割れ、融合不良)
不得意 ビームに平行なきず、丸いきず(ブローホール)
割れのような面状のきずは、超音波探傷のほうが放射線透過試験よりよく見つかります。反対に、丸いブローホールは放射線のほうが得意です。
【放射線透過試験との使い分け】
超音波 厚いものにも使える。装置が小さい。記録が残りにくい
放射線 写真として記録が残る。被ばく管理が要る
法令で溶接継手の効率を決める物差しに使われるのは、記録の残る放射線検査のほうです。
【非破壊試験で強度は分からない】
きずの有無は分かるが、何N/mm² もつかは分からない
強度は、試験板を壊して調べる機械試験で確かめます。
【四つの非破壊試験の守備範囲】
放射線透過 内部
超音波探傷 内部
磁粉探傷 表面と、表面のすぐ下(磁性体だけ)
浸透探傷 表面に開口したきずだけ(材料を選ばない)
出典:特別ボイラー溶接士 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「溶接部の検査方法の概要に関する知識」のほかの問題
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第29問ボイラーの突合せ溶接継手の試験板に対する引張試験について、適切でないものは次のうちどれか
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第28問溶接部に対して行われる破壊試験に関するAからDまでの記述について、適切なもののみを全てあ
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第27問溶接部に対して行われる非破壊試験について、適切でないものは次のうちどれか。
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第29問ボイラーの突合せ溶接継手の試験板に対する引張試験について、適切でないものは次のうちどれか
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第28問溶接部に対して行われる破壊試験について、適切でないものは次のうちどれか。
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第27問溶接部に対して行われる非破壊試験について、適切でないものは次のうちどれか。
スポンサーリンク

