次の文章は,原子炉の型と特性に関する記述である。軽水炉は,[ア]を原子燃料とし,冷却材と[イ]に軽水を用いた原子炉であり…

電力 第4問

次の文章は,原子炉の型と特性に関する記述である。軽水炉は,[ア]を原子燃料とし,冷却材と[イ]に軽水を用いた原子炉であり,我が国の商用原子力発電所に広く用いられている。この軽水炉には,蒸気を原子炉の中で直接発生する[ウ]原子炉と蒸気発生器を介して蒸気を作る[エ]原子炉とがある。軽水炉では,何らかの原因により原子炉の核分裂反応による熱出力が増加して,炉内温度が上昇した場合でも,燃料の温度上昇にともなってウラン238 による中性子の吸収が増加する[オ]により,出力が抑制される。このような働きを原子炉の固有の安全性という。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

正答 (1)
正答は (1)。 【空白(ア) 低濃縮ウラン】 軽水炉の燃料は、ウラン235 の割合を3から5パーセント程度に高めた低濃縮ウランです。軽水は中性子を減速する能力は高いものの、中性子を吸収してしまう割合も大きいため、天然ウラン(ウラン235 が0.7パーセント)のままでは連鎖反応を保てません。一方、高濃縮ウランは研究炉や軍事用のもので、商用の発電炉では使いません。よって(ア)を「高濃縮ウラン」「プルトニウム」としている(2)(3)(5)は外れます。 【空白(イ) 減速材】 軽水は、炉心の熱を運び出す冷却材であると同時に、核分裂で生じた高速中性子を減速して熱中性子にする減速材でもあります。中性子は遅いほうがウラン235 に吸収されやすく、連鎖反応が続きやすいからです。「加速材」という語は存在しません。よって(3)(5)はこの点でも外れます。
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【空白(ウ)(エ) 沸騰水型・加圧水型】 炉の中で直接、蒸気を発生させてそのままタービンへ送るのが沸騰水型原子炉です。炉水を加圧して沸騰させず、蒸気発生器を介して別系統の水を蒸気に変えるのが加圧水型原子炉です。問題文は「蒸気を原子炉の中で直接発生する(ウ)」と書いていますから、(ウ)は沸騰水型、(エ)は加圧水型です。よって順序が逆の(3)(4)は外れます。 【空白(オ) ドップラー効果】 出力が上がって燃料の温度が上昇すると、燃料中のウラン238 の原子核が熱によって激しく動き、中性子との相対速度に幅が出ます。その結果、共鳴吸収が起こる速度の範囲が実質的に広がり、ウラン238 に吸収される中性子が増えます。これをドップラー効果といい、出力が上がると中性子が減るので反応が抑えられる、すなわち負の反応度係数として働きます。燃料温度が上がった瞬間に効く、きわめて速い自己制御の仕組みです。ボイド効果は、沸騰によって水の中に泡(ボイド)ができ、減速材としての密度が下がることで反応度が下がる効果で、こちらは水の側の現象です。問題文は「燃料の温度上昇にともなってウラン238 による中性子の吸収が増加する」と書いていますから、指しているのはドップラー効果のほうです。よって(オ)を「ボイド効果」としている(2)(3)(4)は外れます。 【結論】 低濃縮ウラン・減速材・沸騰水型・加圧水型・ドップラー効果 の (1) が正答です。

出典:令和4年度下期第三種電気主任技術者 電力科目 問4(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ

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