次の文章は,小形交流モータに関する記述である。モータの固定子がつくる回転磁界中に,永久磁石を付けた回転子を入れると,回転…
機械 第6問
次の文章は,小形交流モータに関する記述である。モータの固定子がつくる回転磁界中に,永久磁石を付けた回転子を入れると,回転子は回転磁界[ア]で回転する。これが永久磁石同期モータの回転原理である。永久磁石形同期モータは,回転子の構造により,[イ]磁石形同期モータと[ウ]磁石形同期モータに分類される。[イ]磁石形同期モータは,構造的に小型化・高速化に適しており,さらに[エ]トルクが利用できる特徴がある。[エ]トルクは,固定子と回転子の鉄心(電磁鋼板)との間に働く回転力のことである。この回転力のみを利用したモータは,永久磁石形同期モータに比べて,材料コストが[オ]という特徴がある。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1)(ア): より低い速度 (イ): 表面 (ウ): 埋込 (エ): リラクタンス (オ): 低い
- (2)(ア): より低い速度 (イ): 埋込 (ウ): 表面 (エ): コギング (オ): 低い
- (3)(ア): と同じ速度 (イ): 埋込 (ウ): 表面 (エ): リラクタンス (オ): 高い
- (4)(ア): と同じ速度 (イ): 埋込 (ウ): 表面 (エ): リラクタンス (オ): 低い
- (5)(ア): と同じ速度 (イ): 表面 (ウ): 埋込 (エ): コギング (オ): 高い
正答 (4)
正答は (4)。
【空白(ア) と同じ速度】
固定子が作る回転磁界の中に永久磁石の回転子を置くと、磁石は磁界に引きずられ、回転磁界とまったく同じ速度で回ります。これが同期モータと呼ばれるゆえんです。滑りが生じて回転磁界より遅く回るのは誘導モータで、永久磁石同期モータではそうなりません。よって(ア)を「より低い速度」としている(1)(2)は外れます。
【空白(イ)(ウ) 埋込磁石形・表面磁石形】
永久磁石形同期モータは、磁石の取付け方で次の二つに分かれます。
表面磁石形 回転子鉄心の表面に磁石を貼り付けたもの。
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埋込磁石形 回転子鉄心の内部に磁石を埋め込んだもの。
表面に貼っただけでは、高速で回したときに遠心力で磁石が飛び出す心配があり、押さえの部材が必要になります。埋込形は磁石が鉄心に抱え込まれているので遠心力に強く、小型化と高速化に適しています。問題文は(イ)について「小型化・高速化に適して」いると述べているので、(イ)が埋込、(ウ)が表面です。よって順序が逆の(1)(5)は外れます。
【空白(エ) リラクタンストルク】
埋込磁石形では、磁石が埋まっている向きと埋まっていない向きとで磁気抵抗(リラクタンス)に差が生じます。磁束は磁気抵抗の小さい道を通ろうとするので、鉄心が磁気抵抗の小さくなる位置へ引き寄せられる力が働きます。これがリラクタンストルクで、磁石によるトルクに上乗せして利用できます。表面磁石形では回転子の外形が磁気的にほぼ一様なので、この差が生まれません。コギングトルクは、スロットの開口部と磁石の位置関係によって生じる回転むらのことで、利用するものではなく減らすべきものです。よって(エ)を「コギング」としている(2)(5)は外れます。
【空白(オ) 低い】
リラクタンストルクだけを使うモータがシンクロナスリラクタンスモータです。回転子は電磁鋼板を組んだだけで永久磁石を使いません。永久磁石、とくにネオジムのような希土類磁石は高価ですから、それを使わない分だけ材料コストが低くなります。
【結論】
と同じ速度・埋込・表面・リラクタンス・低い の組合せをもつ (4) が正答です。
出典:令和4年度下期第三種電気主任技術者 機械科目 問6(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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