三相変圧器の並行運転に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。…
機械 第8問
三相変圧器の並行運転に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1)各変圧器の極性が一致していないと,大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。
- (2)各変圧器の変圧比が一致していないと,負荷の有無にかかわらず循環電流が流れて巻線の過熱を引き起こす。
- (3)一次側と二次側との誘導起電力の位相変位(角変位)が各変圧器で等しくないと,その程度によっては,大きな循環電流が流れて巻線の焼損を引き起こす。したがって,Δ-Y とY-Y との並行運転はできるが,Δ-Δ とΔ-Y との並行運転はできない。
- (4)各変圧器の巻線抵抗と漏れリアクタンスとの比が等しくないと,各変圧器の二次側に流れる電流に位相差が生じ取り出せる電力は各変圧器の出力の和より小さくなり,出力に対する銅損の割合が大きくなって利用率が悪くなる。
- (5)各変圧器の百分率インピーダンス降下が等しくないと,各変圧器が定格容量に応じた負荷を分担することができない。
正答 (3)
正答は (3)。
【誤りの選択肢 (3)】
前半の「位相変位が各変圧器で等しくないと大きな循環電流が流れる」という説明は正しいのですが、そのあとに挙げた例が逆になっています。正しくは、Δ-Y結線とY-Y結線との並行運転はできません。一次側と二次側の電圧の位相のずれ(角変位)が、Y-Y結線では0度、Δ-Y結線では30度となり、30度の差が残ったまま並列につなぐと、その電位差によって大きな循環電流が流れてしまうからです。並行運転できる組合せと、できない組合せを整理すると次のようになります。
できる組合せ
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Δ-Δ と Δ-Δ、Y-Y と Y-Y、Δ-Y と Δ-Y、Y-Δ と Y-Δ
Δ-Δ と Y-Y(どちらも角変位が0度)
Δ-Y と Y-Δ(どちらも角変位が30度)
できない組合せ
Δ-Δ と Δ-Y、Y-Y と Δ-Y など、Δ結線の数の合計が奇数になる組合せ
覚え方としては、一次と二次を合わせてΔ結線が偶数個なら可能、奇数個なら不可能、と押さえると簡単です。選択肢の後半にある「Δ-Δ と Δ-Y の並行運転はできない」という部分は正しく、前半の例示が誤りです。
【正しい選択肢の確認】
(1) 極性が逆だと、二次側の回路が短絡された状態に近くなり、
大きな循環電流が流れて巻線を焼損します。正しい記述です。
(2) 変圧比が違うと、無負荷であっても二次側の起電力に差が生じ、
その差によって両変圧器の間を循環電流が流れ続けます。正しい記述です。
(4) 巻線抵抗と漏れリアクタンスの比(インピーダンス角)が違うと、
各変圧器が分担する電流の位相がそろわなくなります。電流をベクトルで足し合わせると大きさの和より小さくなるので、取り出せる電力は各変圧器の出力の和より小さくなります。一方、銅損は各変圧器に流れる電流の大きさで決まるため、出力に対する銅損の割合が増え、利用率が悪くなります。正しい記述です。
(5) 百分率インピーダンス降下が等しくないと、
容量の比どおりに負荷を分け合うことができません。百分率インピーダンスの小さい変圧器が自分の定格に比べて重く負担することになり、先に過負荷になります。正しい記述です。
出典:令和5年度上期第三種電気主任技術者 機械科目 問8(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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