定格容量50 kV・A の単相変圧器において,力率1 の負荷で全負荷運転したときに,銅損が1000 W,鉄損が250 W…
機械 第9問
定格容量50 kV・A の単相変圧器において,力率1 の負荷で全負荷運転したときに,銅損が1000 W,鉄損が250 W となった。力率1 を維持したまま負荷を調整し,最大効率となる条件で運転した。銅損と鉄損以外の損失は無視できるものとし,この最大効率となる条件での効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1)95.2
- (2)96.0
- (3)97.6
- (4)98.0
- (5)99.0
正答 (4)
正答は (4)。
【最大効率の条件】
変圧器の損失は、負荷によらず一定の鉄損(無負荷損)と、負荷電流の2乗に比例する銅損(負荷損)に分けられます。負荷率をα(全負荷を1とした割合)とすると、効率は
効率 = α × S × cosθ
÷ (α × S × cosθ + Pi + α の2乗 × Pc)
この式が最大になるのは
Pi = α の2乗 × Pc
すなわち鉄損と銅損が等しくなるときです。
【手順1 最大効率となる負荷率を求める】
全負荷時の銅損が1000W、鉄損が250W なので
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250 = α の2乗 × 1000
α の2乗 = 0.25
α = 0.5
すなわち全負荷の半分、負荷率50パーセントのときに効率が最大になります。
【手順2 そのときの出力を求める】
力率は1 を保つので
出力 = 0.5 × 50000 × 1
= 25000 [W]
【手順3 そのときの損失を求める】
鉄損 = 250 [W](負荷によらず一定)
銅損 = 0.5 の2乗 × 1000
= 0.25 × 1000
= 250 [W]
損失の合計 = 250 + 250 = 500 [W]
たしかに鉄損と銅損が等しくなっています。
【手順4 効率を求める】
効率 = 出力 ÷ (出力 + 損失) × 100
= 25000 ÷ (25000 + 500) × 100
= 25000 ÷ 25500 × 100
= 98.04 [パーセント]
最も近いのは 98.0 ですから、(4) が正答です。
【全負荷時と比べてみる】
全負荷のときの効率は
50000 ÷ (50000 + 1000 + 250) × 100
= 50000 ÷ 51250 × 100
= 97.6 [パーセント]
選択肢(3)の97.6 はこの値で、最大効率と取り違えると引っかかります。半分の負荷のほうが効率がよくなるのは、銅損が2乗で減るのに対し出力は1乗でしか減らないためです。
【実務上の意味】
配電用変圧器は、一日を通して見ると軽い負荷で使われる時間が長いので、全負荷より軽い負荷、おおむね半分程度で最大効率になるように鉄損と銅損の配分が設計されます。本問の数値はその典型といえます。
出典:令和5年度上期第三種電気主任技術者 機械科目 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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