次の文章は,直流機に関する記述である。直流機では固定子と回転子の間で直流電力と機械動力の変換が行われる。この変換を担う機…

機械 第1問

次の文章は,直流機に関する記述である。直流機では固定子と回転子の間で直流電力と機械動力の変換が行われる。この変換を担う機構の一種にブラシと整流子とがあり,これらを用いた直流機では通常,界磁巻線に直流の界磁電流を流し,[ア]を回転子とする。このブラシと整流子を用いる直流機では,電機子反作用への対策として補償巻線や補極が設けられる。ブラシと整流子を用いる場合には,補極や補償巻線を設けないと,電機子反作用によって,固定子から見た[イ]中性軸の位置が変化するために,これに合わせてブラシを移動しない限りブラシと整流子片との間に[ウ]が生じて整流子片を損傷するおそれがある。なお,小形機では,補償巻線と補極のうち[エ]が一般的に用いられる。上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

正答 (5)
正答は (5)。 【空白(ア) 電機子】 ブラシと整流子を用いる直流機では、界磁巻線に直流の界磁電流を流して固定子側で磁束を作り、電機子を回転子とします。整流子は電機子巻線の端に取り付けられ、一緒に回りながらブラシと接触して、電機子内部の交流を外部の直流に整えます。界磁を回転子にしてしまうと、整流子の役目が果たせません。よって(ア)を「界磁」としている(1)(2)は外れます。 【空白(イ) 電気的中性軸】 電機子反作用が起こると、主磁束の分布がかたよるため、磁束密度がゼロになる位置、すなわち電気的中性軸が移動します。移動する向きは、発電機では回転の向きへ、電動機では回転と逆の向きへとずれます。一方、幾何学的中性軸は、N極とS極のちょうど中間という機械の構造で決まる位置ですから、動くことはありません。問題文が「位置が変化する」と述べている以上、入るのは電気的中性軸です。よって(イ)を「幾何学的」としている(2)(3)は外れます。
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【空白(ウ) 火花】 ブラシは、電気的中性軸の位置にあるとき、起電力がゼロのコイルを短絡することになるので、整流がなめらかに行われます。中性軸がずれたままブラシを動かさないと、短絡されたコイルに起電力が残り、そこに大きな循環電流が流れます。そしてブラシが整流子片から離れる瞬間に、その電流が急に断たれて火花(スパーク)が飛びます。火花は整流子片の表面を荒らし、焼損させる原因になります。「応力」では、整流子片を損傷するという文脈に合いません。よって(ウ)を「応力」としている(2)(3)は外れます。 【空白(エ) 補極】 小形の直流機で一般的に用いられるのは補極です。補極は、N極とS極の間に置く小さな磁極で、そのコイルを電機子と直列につないで電機子電流を流します。構造が簡単で、巻数も少なくて済むので、小形機でも組み込みやすいのが理由です。補償巻線は、界磁の磁極片に溝を切って巻線を納めるもので、効果は大きいものの構造が複雑で高価になるため、急激な負荷変動を受ける大容量機に用いられます。よって(エ)を「補償巻線」としている(1)(3)(4)は外れます。 【結論】 電機子・電気的・火花・補極 の組合せをもつ (5) が正答です。

出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者 機械科目 問1(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ

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