行動ファイナンスの基礎となる意思決定理論に関する一般的な次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。…
学科 基礎編 (22)
行動ファイナンスの基礎となる意思決定理論に関する一般的な次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- (1)投資家は、利益が出ている局面ではリスク回避的になるのに対し、損失が出ている局面ではリスク追求的になる反転効果の傾向があるとされている。
- (2)投資家は、ある選択をしたことによって実際に支出した費用に比べて、他の選択をしていれば得られたであろう利益(機会費用)を軽く捉える傾向があるとされている。
- (3)投資家は、ある選択をする場合、これから支出する費用と得られる便益を考慮し、選択前に既に支払っていた費用はその選択には影響を及ぼさない傾向があるとされている。
- (4)投資家は、価値を判断するにあたって、価値の絶対的な水準よりも利益と損失の判断を分ける基準点からの変化の大きさによって価値を決定する傾向があるとされている。
正答 (3)
正答は (3)。これが不適切です。
行動ファイナンスでは、すでに支払っていて取り戻せない費用(埋没費用、サンクコスト)にとらわれて、その後の選択が影響を受けてしまう傾向(サンクコスト効果)が知られています。伝統的な経済学では、選択の際には将来の費用と便益だけを考えるのが合理的とされますが、人は実際には過去の費用に影響されやすい、というのが行動ファイナンスの考え方です。選択に影響を及ぼさない傾向があるとする記述は不適切です。
【ほかの選択肢】
(1) 適切。プロスペクト理論の反転効果で、利益が出ている局面では確実な利益を選ぶ(リスク回避的)一方、損失が出ている局面では損失を取り戻そうとしてリスクを取る(リスク追求的)傾向があるとされています。
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(2) 適切。実際に支出した費用に比べ、選ばなかった選択肢で得られたはずの利益(機会費用)を軽く見る傾向があるとされています。
(4) 適切。プロスペクト理論の価値関数では、価値は絶対的な水準ではなく、基準点(参照点)からの変化で判断されるとされています(参照点依存性)。
【行動ファイナンスの主な概念】
損失回避:同じ額なら、利益の喜びより損失の痛みを大きく感じる
アンカリング:最初に示された数値に判断が引きずられる
保有効果:自分が持っているものを高く評価する
出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験 2020年1月 (22)出典元ページ
最終更新日
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