「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除」(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものは…
学科 基礎編 (50)
「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除」(以下、「本制度」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- (1)本制度の適用を受けるためには、受贈者は贈与者が事業の用に供している特定事業用資産のすべてを贈与により取得する必要があり、特定事業用資産の一部の贈与について本制度の適用を受けることはできない。
- (2)本制度の対象となる特定事業用資産は、贈与者の事業の用に供されていた宅地等、建物、棚卸資産および減価償却資産で、贈与者の前年分の事業所得に係る青色申告書に添付された貸借対照表に計上されているものとされている。
- (3)贈与により特定事業用資産を取得した受贈者が本制度の適用を受けた場合、当該受贈者が納付すべき贈与税額のうち、本制度の適用を受ける特定事業用資産の課税価格の80%相当額に対応する贈与税額の納税が猶予される。
- (4)本制度の適用を受けた受贈者が死亡し、相続が発生した場合、相続税額の計算上、本制度の適用を受けた特定事業用資産について「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けることはできない。
正答 (1)
正答は (1)。これが適切です。
個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予及び免除(個人版事業承継税制)の適用を受けるには、受贈者(後継者)が、贈与者の事業に係る特定事業用資産の全てを贈与により取得する必要があります。一部だけの贈与では適用を受けられません。
【ほかの選択肢】
(2) 誤り。特定事業用資産は、贈与者の事業の用に供されていた土地(宅地等。400㎡まで)、建物(床面積800㎡まで)、一定の減価償却資産(固定資産税や自動車税の課税対象となるものなど)で、前年分の青色申告書の貸借対照表に計上されているものです。棚卸資産は含まれません。
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(3) 誤り。特定事業用資産に係る贈与税の全額が納税猶予の対象です。80%ではありません(80%を猶予する仕組みは、法人版事業承継税制の一般措置の相続税の場合などです)。
(4) 誤り。受贈者が死亡した場合は、猶予されていた贈与税が免除されます。この制度の適用を受けた資産について、受贈者の死亡による相続で小規模宅地等の特例を受けられないとする定めはありません。小規模宅地等の特例(特定事業用宅地等)と選択関係にあるのは、同じ先代経営者から取得する宅地等について、この制度(または相続税の納税猶予)を受ける場合です。
【個人版事業承継税制の主な要件(基準日時点)】
2019年1月1日から2028年12月31日までの贈与・相続が対象
個人事業承継計画を2024年3月31日までに都道府県に提出し、確認を受ける
後継者は青色申告の承認を受け、事業を継続する
※個人事業承継計画の提出期限は、その後2026年3月31日まで延長され、さらに2026年4月の改正で2028年9月30日まで延長されています(贈与・相続の期限は2028年12月31日のまま)。
出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験 2021年5月 (50)出典元ページ
最終更新日
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