ガンマ線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
ガンマ線照射装置に関する知識 第23問
ガンマ線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)入射ガンマ線のエネルギーが中性子1個の静止質量に相当するエネルギー以上になると、電子及び陽電子を生じる電子対生成が起こるようになる。
- (2)コンプトン効果は、ガンマ線光子と電子とが衝突し、電子が原子の外に飛び出し、光子が運動の方向を変える現象である。
- (3)コンプトン効果による散乱ガンマ線は、入射ガンマ線のエネルギーが高くなるほど前方に散乱されやすくなる。
- (4)光電効果は、原子の軌道電子がガンマ線光子のエネルギーを吸収して原子の外に飛び出し、光子が消滅する現象である。
- (5)光電効果が起こる確率は、ガンマ線のエネルギーが高くなるほど低下する。
正答 (1)
正答は (1)。これが誤りです。
電子対生成が起こるのは、入射ガンマ線のエネルギーが電子2個分の静止質量に相当するエネルギー(1.02MeV)以上のときです。「中性子1個の静止質量」ではありません。
【電子対生成】
ガンマ線が原子核のそばで消え、電子と陽電子が対で生まれる
二つの粒子が生まれるのですから、その二つ分の質量に相当するエネルギーが要ります。電子1個の静止質量は約0.51MeV。その2倍で1.02MeVです。
【中性子の静止質量】
約939MeV
電子の約1800倍も重く、けた違いの値です。ガンマ線がそのエネルギーを持つことは、まずありません。生まれるのは電子と陽電子なのですから、中性子の質量は関係ありません。
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【ほかの選択肢】
(2) コンプトン効果は、ガンマ線光子と電子とが衝突し、電子が
原子の外に飛び出し、光子が運動の方向を変える現象 正しい
(3) コンプトン効果による散乱ガンマ線は、入射ガンマ線の
エネルギーが高くなるほど前方に散乱されやすくなる 正しい
(4) 光電効果は、原子の軌道電子がガンマ線光子のエネルギーを
吸収して原子の外に飛び出し、光子が消滅する現象 正しい
(5) 光電効果が起こる確率は、ガンマ線のエネルギーが高くなる
ほど低下する 正しい
【光電効果とコンプトン効果の違い】
光電効果 光子が消滅し、全エネルギーを電子に渡す
コンプトン効果 光子は残り、一部のエネルギーを渡して
向きを変える
光子が消えるか、残るかが違いです。
【前方散乱】
エネルギーが高いほど、光子はまっすぐ進みたがる
勢いのあるものほど、曲がりにくいという感覚と合います。
【エネルギーによる主役の交代】
低い → 光電効果 / 中間 → コンプトン効果
高い → 電子対生成
出典:ガンマ線透過写真撮影作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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