放射線によるDNAの損傷と修復に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
ガンマ線の生体に与える影響に関する知識 第31問
放射線によるDNAの損傷と修復に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)放射線によるDNAの損傷には、塩基損傷とDNA鎖切断がある。
- (2)放射線によるDNA鎖切断のうち、2本鎖切断はDNA鎖の組換え現象が利用されるため、1本鎖切断に比べて容易に修復される。
- (3)損傷を受けたDNAの修復が不完全で、細胞の生命の維持に決定的な損傷を残していれば、その細胞は死滅してしまう。
- (4)DNA鎖切断のうち、二重らせんの片方だけが切れる1本鎖切断の発生頻度は、両方が切れる2本鎖切断の発生頻度より高い。
- (5)放射線により損傷を受けたDNAの修復が誤って行われると、突然変異を起こすことがある。
正答 (2)
正答は (2)。これが誤りです。
2本鎖切断は、1本鎖切断に比べて修復されにくいものです。「容易に修復される」は誤りです。
【1本鎖切断と2本鎖切断】
1本鎖切断 二重らせんの片方だけが切れる
もう一方を手本にして直せる → 修復しやすい
2本鎖切断 二重らせんの両方が切れる
手本がないので直しにくい → 誤りが残りやすい
片方が残っていれば、それを見ながら元どおりにできるというのが、修復のしやすさの違いです。
【組換えによる修復】
相同組換えは、もう一方の染色体を手本にする正確な修復
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ただし、手本となる染色体が使える時期(S期後期からG2期)に限られます。いつでも使えるわけではないので、「組換えが利用されるから容易」とはいえません。手本を使えないときは、非相同末端結合という、誤りの生じやすい方法で直します。
【ほかの選択肢】
(1) 放射線によるDNAの損傷には、塩基損傷とDNA鎖切断が
ある 正しい
(3) 修復が不完全で、細胞の生命の維持に決定的な損傷を残して
いれば、その細胞は死滅する 正しい
(4) 1本鎖切断の発生頻度は、2本鎖切断の発生頻度より高い
正しい
(5) 修復が誤って行われると、突然変異を起こすことがある
正しい
【発生頻度】
塩基損傷 > 1本鎖切断 > 2本鎖切断
軽い傷ほど数が多いという順です。(4)はそのことを述べています。
【修復の三つの結果】
正しく直る → 細胞は回復する
直らない → 細胞は死滅する
誤って直る → 突然変異が残る
誤って直ったものが、がんや遺伝的影響のもとになります。死ぬよりも、中途半端に生き残るほうが厄介なのです。
出典:ガンマ線透過写真撮影作業主任者 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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