放射線の測定の用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
ガンマ線による透過写真の撮影の作業に関する知識 第1問
放射線の測定の用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)線量率計の積分回路の時定数は、線量率計の指示の即応性に関係した定数で、時定数の値を小さくすると、指示値の相対標準偏差は小さくなるが、応答速度は遅くなる。
- (2)放射線が気体中で1個のイオン対を作るのに必要な平均エネルギーをW値といい、気体の種類には関係なく、放射線の線質に応じて一定の値となる。
- (3)放射線が半導体中で1個の電子・正孔対を作るのに必要なエネルギーをG値といい、100 eV程度である。
- (4)入射放射線によって気体中に作られたイオン対のうち、電子が電界によって強く加速され、更に多くのイオン対を発生させることを気体(ガス)増幅といい、比例計数管やGM計数管による測定に利用される。
- (5)放射線測定器の指針が安定せず、ゆらぐ現象をフェーディングという。
正答 (4)
正答は (4)。これが正しい記述です。
気体中に作られたイオン対のうち、電子が電界で強く加速され、さらに多くのイオン対を発生させることを気体(ガス)増幅といい、比例計数管やGM計数管で利用されています。
【ガス増幅が起こる領域】
比例計数管領域 増幅率が一定。エネルギーが分かる
GM計数管領域 増幅が大きい。エネルギーは分からない
電離箱領域では増幅は起こりません。名前に「計数管」が付く二つで起こると覚えられます。
【ほかの選択肢の誤り】
(1) 時定数を小さくすると、相対標準偏差は大きくなり、
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応答速度は速くなります。二つとも逆です
(2) W値は、気体の種類に応じてほぼ一定で、放射線の線質には
あまり依存しません。説明が入れ替わっています
(3) 半導体で1個の電子・正孔対を作るのに必要なエネルギーは
ε値といい、シリコンでは約3.6電子ボルトです。
G値でも100電子ボルトでもありません
(5) 指針が安定せずゆらぐのは、統計変動によるものです。
フェーディングは、蓄積された線量の情報が時間とともに失われる現象です
【時定数】
大きくする → ばらつきが小さくなるが、反応が遅い
小さくする → 反応は速いが、針が振れる
精度と速さは両立しません。
【W値とε値】
W値 気体で、1対のイオン対を作るのに要るエネルギー
空気ではおよそ34電子ボルト
ε値 半導体で、1個の電子・正孔対を作るのに要るエネルギー
シリコンでは約3.6電子ボルト
半導体のほうが一桁小さいので、同じエネルギーでも多くの信号が得られ、分解能が良くなります。
【フェーディング】
熱や光、時間の経過によって、記録された線量が減ること
線量計を高温多湿のところに置くと起こります。
出典:ガンマ線透過写真撮影作業主任者 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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