高気圧下での作業環境、高気圧作業に伴う人体への影響等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
高気圧障害 第29問
高気圧下での作業環境、高気圧作業に伴う人体への影響等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)吸入空気の圧力が高くなると、空気の密度が増加し気道抵抗が増加するので、肺の換気能力が低下する。
- (2)体内の組織に溶解する窒素の量は、0.2MPa(ゲージ圧力)の空気中では大気圧下の2倍となる。
- (3)高気圧下の作業を終え、マンロックで減圧するときは気温が低下する。
- (4)体組織の窒素分圧が空気の窒素分圧より高いときは、体組織→静脈→肺という経路で、体組織の窒素が排出される。
- (5)ニューマチックケーソンの作業室内の湿度は、ほぼ100%に近い状態である。
正答 (2)
正答は (2)。これが誤りです。
体内の組織に溶解する窒素の量は、0.2MPa(ゲージ圧力)の空気中では大気圧下の3倍となります。「2倍」ではありません。
【計算】
0.2MPa(ゲージ) = 絶対0.3MPa
大気圧 = 絶対0.1MPa
0.3 ÷ 0.1 = 3倍
ヘンリーの法則により、溶ける量は分圧に比例します。
【2倍はどこから来るか】
0.2 ÷ 0.1 = 2
ゲージ圧力を大気圧で割った値です。ゲージ圧力には大気圧の分が含まれていません。絶対圧力に直してから
解説の続きをみる続きを閉じる
比をとらなければなりません。
【ゲージ圧力と絶対圧力】
絶対圧力 = ゲージ圧力 + 大気圧(0.1MPa)
0.1MPa(ゲージ) → 絶対0.2MPa → 2倍
0.2MPa(ゲージ) → 絶対0.3MPa → 3倍
0.3MPa(ゲージ) → 絶対0.4MPa → 4倍
→ ゲージ圧力(MPa)を10倍して1を足すと倍率になる
この関係を覚えておけば、どの数値で問われても答えられます。
【ほかの選択肢】
(1) 吸入空気の圧力が高くなると、空気の密度が増加し気道抵抗が増加するので、肺の換気能力が低下する 正しい
(3) 高気圧下の作業を終え、マンロックで減圧するときは気温が低下する 正しい
(4) 体組織の窒素分圧が空気の窒素分圧より高いときは、体組織→静脈→肺という経路で排出される 正しい
(5) ニューマチックケーソンの作業室内の湿度は、ほぼ100%に近い状態 正しい
【減圧で気温が下がるわけ】
断熱膨張
圧力が下がると気体は膨らみ、そのぶん温度が下がります。法令では、気こう室内の温度が10℃以下のときは毛布その他の保温用具を使わせることになっています。
【窒素の排出経路】
体組織 → 静脈 → 肺 → 呼気
濃いほうから薄いほうへ動きます。動脈ではありません。
【湿度が100%に近いわけ】
掘削面から水が出る/気温が安定している
出典:高圧室内作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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