有機溶剤の人体に対する影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
労働衛生(有害業務に係るもの) 第16問
有機溶剤の人体に対する影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)脂溶性があり、脂肪の多い脳などに入りやすい。
- (2)呼吸器の症状には、咳、上気道の炎症などがある。
- (3)低濃度の繰り返しばく露による慢性中毒では、めまい、不眠などの不定愁訴がみられる。
- (4)皮膚や粘膜に対する症状には、黒皮症、鼻中隔穿孔などがある。
- (5)肝機能障害や腎機能障害を起こすものがある。
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
黒皮症や鼻中隔穿孔は、砒素やクロムによる症状です。有機溶剤によるものではありません。
有機溶剤が皮膚や粘膜に起こすのは、皮膚の炎症(皮膚炎)や角膜の障害、粘膜の刺激です。皮膚の脂を溶かすので、かさかさになり、ひび割れます。
【ほかの選択肢】
(1) 脂溶性があり、脂肪の多い脳などに入りやすい 正しい
(2) 呼吸器の症状には、咳、上気道の炎症などがある 正しい
(3) 低濃度の繰り返しばく露による慢性中毒では、めまい、不眠
などの不定愁訴がみられる 正しい
解説の続きをみる続きを閉じる
(5) 肝機能障害や腎機能障害を起こすものがある 正しい
【有機溶剤に共通する性質】
揮発性が高い
蒸気は空気より重い
脂溶性が高く、脂肪の多い脳や神経に入りやすい
皮膚からも吸収される
皮膚の脂を溶かす
脂溶性が高いことが、脳への影響と皮膚の荒れの両方を説明します。
【有機溶剤による症状】
急性 頭痛、めまい、意識障害(麻酔作用)
慢性 めまい、不眠、不定愁訴
皮膚 皮膚炎、角膜の障害
呼吸器 咳、上気道の炎症
内臓 肝機能障害、腎機能障害
【黒皮症・鼻中隔穿孔が出てくるもの】
砒素 角化症、黒皮症、鼻中隔穿孔、末梢神経障害
クロム 鼻中隔穿孔、皮膚障害、肺がん
鼻中隔穿孔は砒素とクロムです。鼻の粘膜を繰り返し傷めることで、隔てている軟骨に穴があきます。
【物質ごとの症状】
二硫化炭素 精神障害、意識障害
メタノール 視神経障害
ノルマルヘキサン 多発性神経炎
ベンゼン 造血機能の障害
出典:第一種衛生管理者 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「労働衛生(有害業務に係るもの)」のほかの問題
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第16問化学物質とその常温・常圧(25℃、1気圧)での空気中における状態との組合せとして、誤って
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第14問化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第12問化学物質とその常温・常圧(25℃、1気圧)での空気中における状態との組合せとして、誤って
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第20問特殊健康診断に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第18問局所排気装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第16問金属などによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
スポンサーリンク

