34 歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。数週間前から発熱、脱毛および両頰部の紅斑が出現し、3 日前から労作時の息…

D問題 第17問

34 歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。数週間前から発熱、脱毛および両頰部の紅斑が出現し、3 日前から労作時の息切れが出現したため受診した。身長155 cm、体重52 kg。体温38.2 ℃。脈拍96/分、整。血圧92/46 mmHg。呼吸数20/分。SpO₂ 98 %(room air)。両頰部の紅斑を認める。眼瞼結膜はやや貧血様である。眼球結膜に異常を認めない。硬口蓋には痛みを伴わない潰瘍性病変を認める。頸静脈の怒張を認めない。心音でⅡ音の亢進を認める。呼吸音に異常を認めない。両手指の近位指節間関節、中手指節間関節および手関節の腫脹を認める。下肢に軽度の浮腫を認める。血液所見:赤血球346 万、Hb 10.8 g/dL、Ht 36 %、白血球2,200、血小板13 万。PT-INR 1.2(基準0.9~1.1)、フィブリノゲン289 mg/dL(基準186~355)、FDP 3.1μg/mL(基準10 以下)、D ダイマー0.6μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:AST 28 U/L、ALT 26 U/L、LD 160 U/L(基準124~222)、CK 42 U/L(基準41~153)、クレアチニン0.5 mg/dL、BNP 76 pg/mL(基準18.4 以下)、KL-6 322 U/mL(基準500 未満)。免疫血清学所見:抗核抗体640 倍(基準20 以下)、抗dsDNA 抗体325 IU/mL(基準12 以下)、血清補体値(CH₅₀)12 U/mL(基準値30~40)、C3 42 mg/dL(基準値52~112)、C4 3 mg/dL(基準値16~51)。心筋トロポニンT 迅速検査陰性。入院時の心電図(別冊No. 5A)と胸部エックス線写真(別冊No. 5B)を別に示す。息切れの原因はどれか。

医師 2025年(令和7年) 第17問の写真(1/2)医師 2025年(令和7年) 第17問の写真(2/2)
正答 (5)
正答は (5)。肺動脈性肺高血圧症です。 発熱、脱毛、頰部紅斑、無痛性の口腔潰瘍、関節炎、白血球減少、抗核抗体・抗dsDNA抗体陽性、低補体から、活動性の全身性エリテマトーデス〈SLE〉です。息切れの原因を探すと、次の所見が肺高血圧を示します。 Ⅱ音(肺動脈成分)の亢進 BNPの上昇と下肢の浮腫(右心不全) 心電図(5A)で V1〜V4 の陰性T波(右室の負荷を示す所見) 胸部エックス線写真(5B)で左第2弓(肺動脈)の突出 肺野に浸潤影や胸水がなく、SpO₂ も保たれる 確定には心エコーで推定する肺動脈圧の上昇をみて、右心カテーテル検査で測ります。膠原病(SLE、全身性強皮症、混合性結合組織病)は肺動脈性肺高血圧症の大切な原因です。
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【ほかの選択肢】 (1) 心外膜炎 誤り   SLEでよく起こりますが、胸痛と広い範囲のST上昇、心囊液がみられます。この心電図・写真に合いません (2) 心筋梗塞 誤り   心筋トロポニンTが陰性で、ST上昇もありません (3) 間質性肺炎 誤り   KL-6が正常で、呼吸音や肺野の陰影に異常がありません (4) 完全房室ブロック 誤り   心電図ではP波とQRS波がきちんと対応しています。   完全房室ブロックはSLEの母から生まれた児の先天性の病気として問われることが多い所見です

出典:2025年(令和7年) 医師国家試験 問17(厚生労働省 公表)出典元ページ

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