54 歳の男性。健康診断で肝障害を指摘され来院した。自覚症状はない。喫煙は1 年前まで加熱式たばこを20 本/日。飲酒は…
D問題 第75問
54 歳の男性。健康診断で肝障害を指摘され来院した。自覚症状はない。喫煙は1 年前まで加熱式たばこを20 本/日。飲酒はビール350 mL/日を週に2 ~3 回。職業はデスクワークが主体の会社員で、午前7 時に起床し自家用車で通勤している。昼食は麺類を好んで食べている。夕食は午後9 時過ぎに自宅で食べ、午後11 時ごろに就寝している。既往歴に特記すべきことはない。身長171 cm、体重82 kg、腹囲98 cm。脈拍84/分、整。血圧134/80 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。健康診断時の血液生化学所見:AST 60 U/L、ALT 82 U/L、γ-GT 90 U/L(基準13~64)、尿酸6.8 mg/dL、血糖98 mg/dL、トリグリセリド346 mg/dL、HDL コレステロール42 mg/dL、LDL コレステロール128 mg/dL。免疫血清学所見:HBs 抗原陰性、HCV 抗体陰性。腹部超音波検査では肝腎コントラストの増強を認めた。この患者に対する指導で正しいのはどれか。3 つ選べ。
- (1)「体重を減らしましょう」
- (2)「栄養指導を受けましょう」
- (3)「身体活動量を増やしましょう」
- (4)「もう少し早めに就寝しましょう」
- (5)「まず中性脂肪を下げる薬を飲みましょう」
正答 (1)(2)(3)
正答は (1)と(2)と(3)。この3つです。
腹部超音波で肝腎コントラストが強く、ALTが優位に上がった肝障害があり、飲酒量は少なく、ウイルス肝炎もないので、肥満やメタボリック症候群に伴う脂肪性肝疾患(非アルコール性脂肪性肝疾患〈NAFLD〉、現在の名称では代謝機能障害関連脂肪性肝疾患〈MASLD〉)と考えます。腹囲98 cm、高トリグリセリド血症、低めのHDLコレステロールもあります。治療の中心は生活習慣の改善です。
(1) 体重を減らす体重を数%減らすだけでも肝臓の脂肪は減り、7%以上の減量で肝臓の炎症の改善が期待できるとされます
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(2) 栄養指導を受ける麺類に偏った昼食、遅い夕食を見直し、エネルギーや糖質のとり方を整えます
(3) 身体活動量を増やす車通勤でデスクワークが中心です。運動は減量とは別に肝臓の脂肪を減らす効果があります
【ほかの選択肢】
(4) 「もう少し早めに就寝しましょう」 誤り
起床7時・就寝11時で睡眠時間は保たれており、就寝時刻を早める
ことは脂肪肝の指導の中心ではありません
(5) 「まず中性脂肪を下げる薬を飲みましょう」 誤り
まず食事・運動療法を行い、それでも改善しないときに薬を考えます。順序が逆です
出典:2025年(令和7年) 医師国家試験 問75(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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