脳や神経系に関する記述のうち、誤っているものはどれか。…
人体の働きと医薬品 第30問
脳や神経系に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)脳の下部には、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)がある。
- (2)脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、小分子であってもイオン化していない物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。
- (3)交感神経と副交感神経は、効果器でそれぞれの神経線維の末端から神経伝達物質を放出しており、副交感神経の節後線維の末端から放出される神経伝達物質はアセチルコリンである。
- (4)交感神経系が活発になっているとき、腸の運動は低下する。
- (5)副交感神経系が活発になっているとき、膀胱の排尿筋は収縮する。
正答 (2)
正答は (2)。誤っているのは、イオン化していない物質が脳へ移行しにくい、という記述です。
【(2)のどこが誤りか】
脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、小分子であってもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくいとされています。設問は「イオン化していない物質は移行しにくい」と逆に書かれています。この仕組みを血液脳関門といいます。
【覚え方】
細胞膜は脂質でできていますので、電荷を帯びた(イオン化した)物質は通りにくく、脂に溶けやすい(イオン化していない)物質は通りやすい、というのが一般的な性質です。脳への移行も同じ考え方で、イオン化した物質が通りにくいと理解してください。なお、小児では血液脳関門が未発達であるため、医薬品の成分が脳に達しやすくなります。
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【(1)正しい ―― 視床下部】
脳の下部には、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)があります。視床下部は体温の調節にも関わっています。
【脳の各部位の役割】
延髄 …… 心臓中枢、呼吸中枢、咳嗽中枢、嘔吐中枢
視床下部 …… 自律神経系、ホルモン分泌、体温の調節
脊髄 …… 脳と末梢の間で刺激を伝える。
脊髄反射により、脳を介さずに刺激を返すこともある
【(3)正しい ―― 神経伝達物質】
交感神経と副交感神経は、効果器でそれぞれの神経線維の末端から神経伝達物質を放出しています。
交感神経の節後線維の末端 …… ノルアドレナリン
副交感神経の節後線維の末端 …… アセチルコリン
例外 …… 汗腺(エクリン腺)を支配する
交感神経線維の末端ではアセチルコリンが放出される
【(4)正しい ―― 交感神経と腸】
交感神経系が活発になっているとき、腸の運動は低下します。交感神経は闘争や逃走に備えた状態に対応していますので、消化にかかわる働きは抑えられます。
【(5)正しい ―― 副交感神経と膀胱】
副交感神経系が活発になっているとき、膀胱の排尿筋は収縮し、排尿が促されます。逆に、交感神経系が活発なときは排尿筋が弛緩して排尿が抑制されます。抗コリン成分で排尿困難が起こるのは、副交感神経の働きが抑えられるためです。
出典:登録販売者試験 令和5年度(愛媛県 公表問題)出典元ページ
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