一般用医薬品の添付文書の「相談すること」の項目に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。…
医薬品の適正使用と安全対策 第106問
一般用医薬品の添付文書の「相談すること」の項目に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。a カンゾウは、大量の使用によりナトリウムの排泄促進を起こし、むくみ(浮腫)等の症状が現れ、腎臓病を悪化させるおそれがあるため、腎臓病の診断を受けた人は相談することとされている。b ロートエキスが配合された内服薬は、高齢者では、緑内障の悪化、口渇、排尿困難又は便秘の副作用が現れやすいため、相談することとされている。c ロペラミド塩酸塩は、乳汁中に移行する可能性があるため、授乳中の人は相談することとされている。d イブプロフェンは、生じた血栓の分解を抑制するため、血栓のある人や、血栓症を起こすおそれのある人は相談することとされている。
- (1)(a、c)
- (2)(b、c)
- (3)(b、d)
- (4)(a、d)
正答 (2)
正答は (2)。正しいのは(b)(c)の2つです。
【(a)が誤り ―― ナトリウムは「貯留」する】
カンゾウは、大量に使用するとナトリウム貯留、カリウム排泄促進が起こり、むくみ(浮腫)等の症状が現れ、腎臓病を悪化させるおそれがあるため、腎臓病の診断を受けた人は相談することとされています。
問題文は「ナトリウムの排泄促進」としていますので誤りです。正しくはナトリウムは貯留し、カリウムが排泄されるという向きです。
これが偽アルドステロン症の仕組みです。副腎皮質から分泌されるアルドステロンは、体内に塩分(ナトリウム)と水を貯留し、カリウムの排泄を促すホルモンです。カンゾウの成分がこれと似た働きをするため、「偽(にせ)アルドステロン症」と呼ばれます。
解説の続きをみる続きを閉じる
貯留するもの …… ナトリウム(塩分)と水
失われるもの …… カリウム
現れる症状 …… むくみ、血圧上昇、手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばり、脱力感、筋肉痛
【(b)正しい ―― ロートエキスと高齢者】
ロートエキスが配合された内服薬は、高齢者では、緑内障の悪化、口渇、排尿困難又は便秘の副作用が現れやすいため、相談することとされています。記述のとおりです。
ロートエキスは抗コリン成分ですので、次の副作用が共通して現れます。
散瞳による目のかすみ、異常なまぶしさ …… 緑内障を悪化させる
口渇 …… 高齢者では誤嚥につながりやすい
排尿困難 …… 前立腺肥大のある人で問題になる
便秘
高齢者は、これらの症状がもともと出やすいところへ副作用が加わりますので、特に注意が必要になります。
なお、ロートエキスについては、授乳中の人についても注意があります。乳児に頻脈を起こすおそれがあり、また母乳が出にくくなることがあるためです。
【(c)正しい ―― ロペラミドと授乳】
ロペラミド塩酸塩は、乳汁中に移行する可能性があるため、授乳中の人は相談することとされています。記述のとおりです。
授乳中の人について「本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」とされている成分と、「相談すること」とされている成分を区別しておきましょう。
服用しないか授乳を避ける …… ジフェンヒドラミン塩酸塩(乳児に昏睡)、アミノフィリン水和物、テオフィリン(乳児に神経過敏)、ロートエキス(乳児に頻脈)、センノシド、ダイオウ、ヒマシ油類(乳児に下痢)、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩(乳児にモルヒネ中毒)
相談すること …… ロペラミド塩酸塩など
【(d)が誤り ―― 血栓は別の成分の話】
血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)や、血栓症を起こすおそれのある人が「相談すること」とされているのは、トラネキサム酸(内服)とセトラキサート塩酸塩です。イブプロフェンではありません。
理由は、生じた血栓が分解されにくくなるためです。
トラネキサム酸 …… 抗炎症成分。体内で起きている止血効果を高めることで、炎症を抑える
セトラキサート塩酸塩 …… 胃粘膜保護・修復成分。体内で代謝されてトラネキサム酸を生じる
セトラキサート塩酸塩が対象となる理由は、体内でトラネキサム酸に変わるからです。この関係も頻出ですので、あわせて覚えておいてください。
なお、イブプロフェンが「相談すること」の対象となるのは、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病の既往歴がある人、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病のある人などです。
出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。解説は愛知県の見解ではありません。内容について、愛知県へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「医薬品の適正使用と安全対策」のほかの問題
- 令和7年度 第106問医薬品の安全性情報に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせ
- 令和7年度 第112問医薬品の副作用情報等の収集、評価及び措置に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはど
- 令和7年度 第118問一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」の項目中に、「服用後、乗物又は機械類の運転
- 令和5年度 第104問医薬品の製品表示に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- 令和5年度 第110問第1欄の記述は、医薬品の安全性情報に係る文書に関するものである。( )の中に入れるべ
- 令和5年度 第116問次の記述は、登録販売者の対応に関するものである。1~5で示される医薬品等のうち、登録販売
スポンサーリンク

