腸の薬に配合される成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…
主な医薬品とその作用 第32問
腸の薬に配合される成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a トリメブチンマレイン酸塩は、消化管(胃及び腸)の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用があるとされ、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。b 次硝酸ビスマスは、腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂)ことにより、腸粘膜を保護することを目的として配合されている場合がある。c ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢の症状に用いられることを目的としている。d タンニン酸ベルベリンは、収斂作用を持つタンニン酸と抗菌作用を持つベルベリンの化合物であり、消化管内ではタンニン酸とベルベリンに分かれて、それぞれ瀉下に働くことを期待して用いられる。
- (1)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 正
- (2)a: 正 b: 誤 c: 誤 d: 正
- (3)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (4)a: 正 b: 正 c: 正 d: 誤
- (5)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 正
正答 (3)
正答は (3)。組み合わせは a 正、b 正、c 誤、d 誤 です。
【(a)正しい ―― トリメブチンは運動を調整する】
トリメブチンマレイン酸塩は、消化管(胃及び腸)の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用があるとされ、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがあります。記述のとおりです。
「調整」という表現がこの成分の特徴です。動きが過剰なときは抑え、低下しているときは促す、という両方向に働きます。そのため、腸の不調(整腸)の目的で用いられます。
【(b)正しい ―― 次硝酸ビスマスは収斂成分】
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次硝酸ビスマスは、腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂)ことにより、腸粘膜を保護することを目的として配合されます。記述のとおりです。
ビスマスを含む成分については、次の注意が重要です。
海外において、長期連用した場合に精神神経症状(不安、記憶力減退、注意力低下、頭痛等)が現れたとの報告がある。1週間以上継続して服用しない
胃潰瘍等により腸粘膜に損傷がある場合、ビスマスの吸収が高まるおそれがある
アルコールと一緒に摂取されると、ビスマスの吸収が高まるおそれがあるため、服用時は飲酒を避ける
細菌性の下痢や食中毒が疑われる場合には使用を避ける …… 腸内の有害物質の排出を妨げるおそれがある
妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避ける …… 胎児に移行する可能性がある
【(c)が誤り ―― 食あたり・水あたりには適用しない】
ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢の症状に用いられることを目的としています。
食あたりや水あたりによる下痢については、適用対象ではありません。問題文は誤りです。
理由は、食あたりや水あたりは、細菌や毒素を体外へ排出しようとして起こる下痢だからです。無理に止めてしまうと、原因となるものが腸内にとどまってしまい、かえって症状を悪化させるおそれがあります。
ロペラミド塩酸塩については、ほかに次の点も押さえてください。
15歳未満の小児には適用がない
食欲不振、吐きけ、腹痛、便秘等の副作用のほか、めまいや眠気が現れることがある。乗物や機械の運転を避ける
中枢神経系を抑制する作用があり、服用時は飲酒を避ける
まれに重篤な副作用として、イレウス様症状、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症
【(d)が誤り ―― 働くのは「止瀉」】
タンニン酸ベルベリンは、収斂作用をもつタンニン酸と抗菌作用をもつベルベリンの化合物であり、消化管内でタンニン酸とベルベリンに分かれて、それぞれ止瀉に働くことを期待して用いられます。
問題文は「それぞれ瀉下に働く」としていますので誤りです。止瀉は下痢を止めること、瀉下は便を出させることで、意味が正反対です。
この2つの語は第3章を通じて頻繁に登場しますので、確実に区別してください。
止瀉 …… 下痢を止める
瀉下 …… 便を出させる(便秘を解消する)
なお、タンニン酸には牛乳にアレルギーがある人では使用を避けるという注意はありません。注意が必要なのはタンニン酸アルブミンのほうで、アルブミンが牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるためです。
出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
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