痔疾用薬として用いられる生薬成分及び漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…
主な医薬品とその作用 第41問
痔疾用薬として用いられる生薬成分及び漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a シコンは、ムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬で、新陳代謝促進、殺菌、抗炎症等の作用を期待して用いられる。b セイヨウトチノミは、トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子を基原とする生薬で、内用痔疾用薬として使用する場合、主に抗炎症作用を期待して用いられる。c 乙字湯は、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、悪心・嘔吐、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。d 芎帰膠艾湯は、構成生薬としてカンゾウを含むため、カンゾウを含む他の医薬品や一般食品等との併用により、摂取されるグリチルリチン酸の総量が継続して多くならないように注意を促すことが重要である。
- (1)a: 正 b: 正 c: 正 d: 誤
- (2)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 正
- (3)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 正
- (4)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 正
- (5)a: 正 b: 正 c: 正 d: 正
正答 (5)
正答は (5)。a〜d はすべて正しい記述です。
【(a)正しい ―― シコンはムラサキの根】
シコンは、ムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬で、新陳代謝促進、殺菌、抗炎症等の作用を期待して用いられます。
痔の生薬は基原(どの科の植物のどの部位か)と作用をセットで問われます。痔疾用薬で出てくるものを並べておきます。
シコン ムラサキ科ムラサキの根
→ 新陳代謝促進、殺菌、抗炎症
セイヨウトチノミ トチノキ科セイヨウトチノキの種子
→ 抗炎症
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オウゴン シソ科コガネバナの周皮を除いた根
→ 抗炎症
カイカ・カイカク マメ科エンジュの蕾・果実
→ 止血
【(b)正しい ―― セイヨウトチノミは抗炎症】
セイヨウトチノミは、トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子を基原とする生薬で、内用痔疾用薬として使用する場合、主に抗炎症作用を期待して用いられます。
ここが引っかけどころです。出題者はこれを止血効果と書き換えてきます。実際、ほかの地域ブロックでは「主に止血効果を期待して用いられる」という形で誤りの選択肢が作られています。止血のほうはカルバゾクロムやカイカ・カイカクの役目です。
【(c)正しい ―― 乙字湯はダイオウを含む】
乙字湯は、体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされます。
裏を返せば、体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人には不向きです。悪心・嘔吐、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすいためで、設問のとおりです。
なぜそうなるのかというと、乙字湯はダイオウを含むからです。ダイオウは大腸を刺激して排便を促す生薬ですから、もともと下痢しやすい人に使えば症状を悪化させます。乙字湯はカンゾウとダイオウの両方を含む処方として覚えてください。
まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎を生じることも知られています。
【(d)正しい ―― 芎帰膠艾湯はカンゾウを含む】
芎帰膠艾湯はカンゾウを含みます。したがって、カンゾウを含む他の医薬品や一般食品(甘味料として用いられることがあります)との併用により、摂取されるグリチルリチン酸の総量が継続して多くならないよう注意を促すことが重要です。
グリチルリチン酸を摂り過ぎると偽アルドステロン症のおそれがあります。カンゾウを含む処方が出てきたら、必ずこの注意がついて回ると考えてください。
芎帰膠艾湯そのものの効能は、体力中等度以下で、冷え症で、出血傾向があり胃腸障害のないものの痔出血、貧血、月経異常・月経過多・不正出血、皮下出血です。胃腸が弱く下痢しやすい人には不向きとされます。
【痔の漢方二つを対比する】
乙字湯 体力中等度以上、大便がかたく便秘傾向
カンゾウ・ダイオウを含む
芎帰膠艾湯 体力中等度以下、冷え症で出血傾向、痔出血
カンゾウを含む(ダイオウは含まない)
便秘寄りが乙字湯、出血寄りが芎帰膠艾湯、と向きで覚えると取り違えません。
出典:登録販売者試験 令和7年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
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