肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…

主な医薬品とその作用 第55問

肥満症又は肥胖症に用いられる漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a 防風通聖散は、体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適すとされる。b 防已黄耆湯は、体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症に適すとされる。c 大柴胡湯は、体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされる。d 防風通聖散及び大柴胡湯は、構成生薬としてダイオウを含むため、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避けることとされている。

正答 (3)
正答は (3)。a と b が誤りです。 【(a)誤り ―― これは防已黄耆湯の効能】 ここが引っかけどころです。体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適すとされるのは、防已黄耆湯です。防風通聖散ではありません。 【(b)誤り ―― これは防風通聖散の効能】 ここも同じ作りです。体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症に適すとされるのは、防風通聖散です。防已黄耆湯ではありません。
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つまり a と b は、二つの処方の効能をそっくり入れ替えた作りです。片方に気づけば両方が倒れます。 見分け方は体力の一語です。 防已黄耆湯  → 体力中等度以下。疲れやすく、汗をかきやすい            水ぶとりタイプ。カンゾウを含む 防風通聖散  → 体力充実。腹部に皮下脂肪が多く、便秘がち            カンゾウ・マオウ・ダイオウをすべて含む 名前も似ていますが、「已」の防已黄耆湯が虚証寄り、「風」の防風通聖散が実証寄りと覚えてしまってください。 【(c)正しい ―― 大柴胡湯】 大柴胡湯は、体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされます。設問のとおりです。 体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)では不向きで、日常的に下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすいとされます。まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られています。 「脇腹からみぞおちにかけて苦しく」という表現は大柴胡湯の目じるしです。 【(d)正しい ―― ダイオウと授乳】 防風通聖散と大柴胡湯は、いずれも構成生薬としてダイオウを含みます。ダイオウを含む漢方処方製剤では、母乳を与える女性では使用を避けるか、使用期間中の授乳を避けることとされています。 理由がはっきりしています。ダイオウの瀉下成分が乳汁中に移行し、乳児に下痢を生じさせるおそれがあるためです。 ダイオウを含む主な処方も押さえておいてください。 大黄甘草湯   大黄牡丹皮湯   麻子仁丸 乙字湯     桃核承気湯    防風通聖散 大柴胡湯    三黄瀉心湯    響声破笛丸 【防風通聖散の注意をもう一段】 防風通聖散はカンゾウ・マオウ・ダイオウをすべて含むという、たいへん賑やかな処方です。そのぶん注意も多くなります。 体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人は不向き まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症、  腸間膜静脈硬化症を生じることがある 小児への適用はない 他の瀉下薬との併用は避ける 【肥満に用いる漢方を三つで対比する】 防已黄耆湯  体力中等度以下 水ぶとり  カンゾウ 防風通聖散  体力充実    便秘がち  カンゾウ・マオウ・ダイオウ 大柴胡湯   体力充実    脇腹が苦しい ダイオウ いずれも肥満症を効能とするからといって、痩せ薬ではありません。生活習慣の改善が図られることが基本であり、1か月位服用して症状の改善がみられない場合は受診を勧めます。

出典:登録販売者試験 令和7年度(愛知県 公表問題)出典元ページ

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