脳や神経系の働きに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。…

人体の働きと医薬品 第72問

脳や神経系の働きに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。a 身体の個々の組織は刺激によって反射的に動くことが出来るが、実際の人間の身体は個々の部位が単独で動いているものではなく総合的に制御されており、このような制御する部分を中枢といい、一方、中枢によって制御される部分を末梢と呼ぶ。b 自律神経系は、交感神経系と副交感神経系からなる。概ね、交感神経系は体が食事や休憩等の安息状態となるように働き、副交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働く。c 脳内には多くの血管が通っており、脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が低い。d 中枢神経系は脳と脊髄から構成される。脳は、頭の上部から下後方部にあり、知覚、運動、記憶、情動、意思決定等の働きを行っている。脳の下部には、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)がある。

正答 (4)
正答は (4)。(a、d)の組み合わせです。 【(a)正しい ―― 中枢と末梢】 身体の個々の組織は刺激によって反射的に動くことができますが、実際の人間の身体は個々の部位が単独で動いているのではなく総合的に制御されています。この制御する部分を中枢といい、中枢によって制御される部分を末梢と呼びます。設問のとおりです。 神経系の分け方も押さえてください。 中枢神経系  脳と脊髄から構成される 末梢神経系  体性神経系(随意運動、知覚等を担う)と          自律神経系(呼吸、血液の循環等、生命や身体
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         機能の維持のため無意識に働いている機能を担う) 【(b)誤り ―― 交感神経と副交感神経が逆】 ここが引っかけどころです。説明がそっくり入れ替わっています。 交感神経系  体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した          態勢をとるように働く 副交感神経系 体が食事や休憩等の安息状態となるように働く 覚え方は「交感神経は戦うとき、副交感神経は休むとき」です。動物が敵に出会った場面を思い浮かべれば、心拍数が上がり、瞳孔が散大し、気管支が拡張して、消化は後回しになります。これがすべて交感神経の働きです。 主な効果器における働きも整理しておきます。           交感神経     副交感神経 目       瞳孔散大      瞳孔収縮 唾液腺     少量の粘性の高い唾液 唾液分泌亢進 心臓      心拍数増加     心拍数減少 末梢血管    収縮(血圧上昇)  拡張(血圧降下) 気管、気管支  拡張        収縮 胃       血管の収縮     胃液分泌亢進 腸       運動低下      運動亢進 肝臓      グリコーゲンの分解 グリコーゲンの合成 膀胱      排尿筋の弛緩    排尿筋の収縮           (排尿抑制)    (排尿促進) なお、汗腺だけは例外です。交感神経線維の末端では、通常ノルアドレナリンが神経伝達物質として放出されますが、汗腺(エクリン腺)を支配する交感神経線維の末端ではアセチルコリンが放出されます。ただし、局所(腋窩等)に分布するアポクリン腺を支配する交感神経線維の末端ではノルアドレナリンが放出されます。 【(c)誤り ―― 脳の血管は選択性が高い】 ここも引っかけどころです。脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、循環血液中から脳の組織へ移行できる物質の種類は限られています。設問の「低い」は逆です。 これを血液脳関門といいます。脳は生命の中枢ですから、余計なものを入れない仕組みが備わっているのは自然なことです。「低い」と書かれていたら、脳が無防備だと言っていることになります。 あわせて押さえておいてください。小児では、血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすいとされます。 脳についてもう一つ。脳には心拍出量の約15%の血液が循環し、ブドウ糖の消費量は全身の約25%、酸素の消費量は全身の約20%と、多量のエネルギーを消費します。数字は出題されるので、そのまま覚えてください。 【(d)正しい ―― 中枢神経系と視床下部】 中枢神経系は脳と脊髄から構成されます。脳は、頭の上部から下後方部にあり、知覚、運動、記憶、情動、意思決定等の働きを行っています。 脳の下部には、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)があります。設問のとおりです。 脊髄についても押さえてください。脊髄は脊椎の中にあって、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返すことがあります。これを脊髄反射といいます。熱いものに触れた手を、考える前に引っ込めるのがこれです。

出典:登録販売者試験 令和7年度(愛知県 公表問題)出典元ページ

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