次の記述は、通関業法に規定する罰則に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしな…
通関業法 通関業法 第10問
次の記述は、通関業法に規定する罰則に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)通関業法第3条第2項の規定により通関業の許可に付された条件に違反して、当該条件により限定された種類以外の貨物につき、通関業を営んだ者は、同法の規定に基づき懲役又は罰金に処せられることがある。
- (2)通関業法第33条の規定に違反して自らの通関士の名義を他人に通関業務のため使用させた者は、同法の規定に基づき罰金に処せられることがある。
- (3)通関業法第40条第2項の規定に違反して通関士という名称を使用した通関士でない者は、同法の規定に基づき罰せられることはない。
- (4)通関業者である法人の従業者が、その法人の業務に関し、通関業法第38条第1項の規定に基づく税関職員による質問に偽りの答弁をしたときは、同法の規定に基づき、当該従業者が罰せられることがあるほか、その法人に対しても罰金刑が科せられることがある。
- (5)通関業者である法人の役員が、その法人の業務に関し、正当な理由がなくて、その通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らしたときは、当該役員が罰せられることがあるほか、その法人に対しても罰金刑が科せられることがある。
正答 (1)(2)(4)
正答は、(1)、(2)、(4) の三つです。
【通関業法の罰則の全体像】
通関業法の罰則は第41条から第45条までに置かれています。法定刑の重い順に整理すると次のとおりです。
第41条第1項 1年以下の拘禁刑(令和7年5月までは懲役)又は100万円以下の罰金。不正の手段による許可の取得、無許可営業および許可の条件に違反した営業、秘密の漏えい・盗用、業務停止処分に違反した業務。
第42条 6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。不正の手段による通関士の確認、従事停止・禁止処分に違反した従事。
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第43条 50万円以下の罰金。業務改善命令違反、報告・質問・検査への不応答や虚偽答弁など。
第44条 30万円以下の罰金。通関業者の名義貸し、通関士の名義貸し、名称の使用制限違反。
第45条 両罰規定。
【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。第41条第1項第2号は、無許可営業に加えて、第3条第2項により付された条件に違反して当該条件により限定された種類以外の貨物につき通関業を営んだ者を、同じ法定刑で処罰の対象としています。条件付きの許可は、その条件の範囲でしか許可がないのと同じだ、という考え方です。
(2) 正しい記述です。第33条に違反して通関士の名義を他人に通関業務のため使用させた者は、第44条第2号により30万円以下の罰金に処せられることがあります。
(3) 誤りです。第40条第2項に違反して通関士という名称を使用した者は、第44条第3号により30万円以下の罰金に処せられます。過料ではなく罰金であり、「罰せられることはない」という結論は成り立ちません。
(4) 正しい記述です。第38条第1項に基づく税関職員の質問に偽りの答弁をした者は第43条第2号に当たります。そして第45条の両罰規定は第43条の違反行為を対象に含めているので、行為者である従業者が罰せられるほか、その法人に対しても罰金刑が科されることがあります。
(5) 誤りです。秘密の漏えいは第41条第1項第3号に当たりますが、第45条の両罰規定は「第41条第1項(第3号を除く。)」と明記して、この号だけを対象から外しています。したがって法人に罰金刑が科されることはありません。
【第41条第1項第3号だけが特別扱いされる理由】
秘密漏えいの罪は、第41条第2項により告訴がなければ公訴を提起できない親告罪とされています。被害者である依頼者の意思を尊重すべき性質の犯罪であり、法人まで巻き込んで処罰する構成になじまないため、両罰規定の対象からも外されていると理解しておくとよいでしょう。この「親告罪であること」と「両罰規定の対象外であること」はセットで問われます。
出典:第57回 通関士試験 通関業法 第10問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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