次の記述は、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき輸入貨物の課税価格を計算する場合に関するものであ…
関税法等 関税法等 第13問
次の記述は、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき輸入貨物の課税価格を計算する場合に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)輸入取引に係る契約において輸入貨物の輸入港までの運賃を買手が負担することとされている場合は、当該運賃は当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に含まれていないものとして取り扱い、当該輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用の額を買手が負担するときに限り、当該運送費用の額を当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に加算することとされている。
- (2)輸入貨物に係る輸入取引に関し、買手により負担される当該輸入貨物に係る仲介料その他の手数料として当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に、その含まれていない限度において加算しなければならないものに該当するか否かの判断は、契約書等における名称のみによるものではなく、その手数料を受領する者が輸入取引において果たしている役割及び提供している役務の性質を考慮して行うものとされている。
- (3)輸入貨物に係る輸入取引に関し、当該輸入貨物の売手と協力して販売を行う者に対し売手が支払う販売手数料は、当該輸入貨物の課税価格に含まれることとされている。
- (4)輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、当該輸入貨物の生産のために使用された金型を買手が売手に無償で提供した場合において、買手が当該金型の提供に要した費用の額は当該輸入貨物の課税価格に含まれる。
- (5)輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、当該輸入貨物の買手が本邦以外で自ら開発した役務で、当該買手により無償で提供され、当該輸入貨物のみの生産に利用されたものについては、当該役務の開発に要した費用に当該役務を当該輸入貨物の生産に関連して提供するために要した運賃、保険料その他の費用であって買手により負担されるものを加算した費用の額が当該輸入貨物の課税価格に含まれる。
正答 (2)(4)(5)
正答は、(2)、(4)、(5) の三つです。
【課税価格の決定の原則】
関税定率法第4条第1項は、輸入貨物の課税価格を、現実に支払われた又は支払われるべき価格に、それに含まれていない限度で一定の費用の額を加えた価格(取引価格)とすると定めています。加算要素は次の五つです。
第1号 輸入港までの運賃、保険料その他当該運送に関連する費用
第2号 買手により負担される手数料または費用のうち、仲介料その他の手数料(買付手数料を除く。)、容器の費用、包装に要する費用
第3号 買手により無償でまたは値引きして提供された物品・役務の費用(材料・部分品、工具や鋳型、生産の過程で消費された物品、政令で定める役務)
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第4号 輸入貨物に係る特許権等の使用に伴う対価で、輸入取引をするために支払われるもの
第5号 買手による処分または使用による収益で売手に帰属するもの
【各選択肢の検討】
(1) 誤りです。関税定率法施行令第1条の5第1項は、運送が特殊な事情の下で行われたことにより実際に要した輸入港までの運賃等の額が通常必要とされる額を著しく超える場合には、通常必要とされる運賃等の額によると定めています。したがって、常に実際に要した額を加算するわけではありません。「実際に要した運送費用の額を買手が負担するときに限り」と言い切る点が誤りです。
(2) 正しい記述です。第4条第1項第2号イの仲介料その他の手数料に当たるかどうかは、契約書などでどのような名称が用いられているかではなく、その手数料を受領する者が輸入取引において果たしている役割や提供している役務の性質によって判断します。「買付手数料」という名前が付いていても、実質が販売代理であれば加算の対象になり得る、ということです。
(3) 誤りです。第4条第1項第2号は「買手により負担される手数料又は費用」を加算要素としています。売手が自己の販売協力者に支払う販売手数料は、売手が負担するものであり、買手が別途負担しているわけではありませんから、加算要素にはなりません。なお、その費用が売手の販売経費として現実支払価格の中に織り込まれている場合は、もともと課税価格に含まれています。
(4) 正しい記述です。金型は第4条第1項第3号ロの「当該輸入貨物の生産のために使用された工具、鋳型又はこれらに類するもの」に当たります。買手が無償で提供したのですから、その提供に要した費用の額が課税価格に含まれます。施行令第1条の5第2項により、買手が自ら生産した物品についてはその生産に要した費用、それ以外の物品については買手が取得するために通常要する費用を基礎とし、これに提供のために要した運賃、保険料その他の費用で買手が負担するものを加算します。
(5) 正しい記述です。施行令第1条の5第3項は、第4条第1項第3号ニの役務を「当該輸入貨物の生産のために必要とされた技術、設計、考案、工芸及び意匠であつて本邦以外において開発されたもの」と定めています。同条第4項第1号により、買手が自ら開発した役務についてはその開発に要した費用を基礎とし、これに提供のために要した運賃、保険料その他の費用で買手が負担するものを加算した額が課税価格に含まれます。
【役務の加算でいちばん狙われる点】
役務の加算要素は「本邦以外において開発されたもの」に限られます。本邦で開発された技術や設計を無償提供しても加算しません。国内で生み出された付加価値にまで関税を課すのは筋が違う、という考え方です。物品の提供(第3号イからハまで)には、このような場所による限定がないことと対比して覚えてください。
出典:第57回 通関士試験 関税法等 第13問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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