次の記述は、外国為替及び外国貿易法第48条に規定する経済産業大臣の輸出の許可及び承認に関するものであるが、その記述の正し…
関税法等 関税法等 第14問
次の記述は、外国為替及び外国貿易法第48条に規定する経済産業大臣の輸出の許可及び承認に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)輸出貿易管理令別表第2の33の項の中欄に掲げるうなぎの稚魚を、アメリカ合衆国を仕向地として輸出する場合において、その輸出する貨物の総価額が5万円以下のものであるときは、経済産業大臣の輸出の承認を受けることを要しない。
- (2)輸出貿易管理令別表第2の43の項の中欄に掲げる重要文化財を輸出しようとする場合において、文化財保護法の規定に基づく文化庁長官の許可を受けているときであっても、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければならない。
- (3)輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる軍用航空機の部分品のうち、修理を要するものを無償で輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けることを要しない。
- (4)輸出貿易管理令別表第1の16の項の中欄に掲げる関税定率法別表第95類に該当する玩具を、ドイツを仕向地として輸出しようとする場合には、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない。
- (5)経済産業大臣は、外国為替及び外国貿易法第48条第1項の規定により経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない貨物について、当該輸出の許可を受けないで貨物を輸出した者に対し、3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができる。
正答 (1)(2)(5)
正答は、(1)、(2)、(5) の三つです。
【輸出の許可と承認の違い】
外国為替及び外国貿易法第48条第1項に基づく「輸出の許可」は、輸出貿易管理令別表第1に掲げる貨物を同表下欄の地域へ輸出する場合に必要となるもので、安全保障の観点からの規制です。これに対し、同令第2条に基づく「輸出の承認」は、別表第2に掲げる貨物などについて必要となるもので、国内の需給や国際的な取決めなどの観点からの規制です。どちらの規制に乗っている貨物なのかをまず見分けるのが解答の出発点です。
【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。輸出貿易管理令第4条第4項は、別表第7に定める貨物の区分に応じ、その総価額が同表に掲げる金額以下である場合には、別表第2に係る承認の規定を適用しないこととしています。うなぎの稚魚については5万円がその基準とされており、総価額が5万円以下であれば承認は要りません。少額の輸出にまで手続を求めることの負担と規制の実益を比べた措置です。
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(2) 正しい記述です。重要文化財は輸出貿易管理令別表第2の43の項の中欄に掲げられており、輸出には経済産業大臣の承認が必要です。そして同令第2条第3項は、43の項の中欄に掲げる貨物については、他の法令による輸出の許可または確認を受けている場合に限り承認をすると定めています。つまり文化財保護法に基づく文化庁長官の許可は、経済産業大臣の承認を受けるための前提であって、承認を不要にするものではありません。
(3) 誤りです。輸出貿易管理令第4条第1項は、同項各号に掲げる場合には第48条第1項の許可を要しないとしつつ、ただし書で「別表第一の一の項の中欄に掲げる貨物については、この限りでない」と定めています。同項第2号ロには、航空機の部分品のうち修理を要するもので無償で輸出するものが挙げられていますが、別表第1の1の項の貨物、すなわち武器に当たる軍用航空機の部分品には、この適用除外が及びません。したがって輸出の許可が必要です。
(4) 誤りです。輸出貿易管理令別表第1の16の項の(二)は、関税定率法別表第95類などに該当する貨物を掲げていますが、その下欄は「全地域(別表第三に掲げる地域を除く。)」とされています。ドイツは別表第3に掲げる地域、いわゆるグループAの国ですから、そもそも許可を要する仕向地に当たりません。16の項はいわゆる補完的な輸出規制であり、輸出管理の制度が整っていると認められる国を対象から外しているためです。
(5) 正しい記述です。外国為替及び外国貿易法第53条第1項は、第48条第1項の許可を受けないで貨物の輸出をした者に対し、3年以内の期間を限り、輸出を行うことなどを禁止することができると定めています。同条第2項の一般の違反に対する禁止が原則1年以内であるのに対し、無許可輸出は3年以内である点が対照的です。
【数字の対比】
無許可輸出をした者 3年以内の輸出禁止(第53条第1項)
その他の輸出入に関する違反 1年以内の輸出入禁止(第53条第2項)
年数を入れ替えた肢が作られやすいところですので、どちらが重いかを考えて確認してください。
出典:第57回 通関士試験 関税法等 第14問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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