次の記述は、関税法第8章に規定する不服申立てに関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号…
関税法等 関税法等 第27問
次の記述は、関税法第8章に規定する不服申立てに関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)関税の滞納処分に関する税関長の処分に不服がある者は、当該税関長に対して、再調査の請求をすることができる。
- (2)関税の確定又は徴収に関する税関長の処分についての再調査の請求は、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して3月又は当該処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、正当な理由があるときを除き、することができない。
- (3)税関長が、輸入されようとする貨物のうちに風俗を害すべき物品に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるとして、当該貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知した場合は、当該通知の取消しの訴えを行おうとする者は、当該通知についての審査請求に対する裁決を経ることなく、当該訴えを提起することができることとされている。
- (4)関税法の規定による税関長の処分について審査請求がされた場合であっても、行政不服審査法第46条第1項(処分についての審査請求の認容)の規定により審査請求に係る処分(法令に基づく申請を却下し、又は棄却する処分及び事実上の行為を除く。)の全部を取り消すとき(当該処分の全部を取り消すことについて反対する旨の意見書が提出されているとき及び口頭意見陳述においてその旨の意見が述べられているときを除く。)は、財務大臣は、関税等不服審査会に諮問することを要しない。
- (5)関税の徴収に関する税関長の処分についての審査請求があった場合において、当該審査請求がされた日の翌日から起算して3月を経過しても裁決がないときは、その審査請求人は、裁決を経ることなく、当該処分の取消しの訴えを提起することができることとされている。
- (6)誤っている記述はない
正答 (3)
正答は (3)。
【関税法における不服申立ての仕組み】
税関長の処分に不服がある者は、税関長に対する再調査の請求をするか、財務大臣に対する審査請求をするかを選ぶことができます。再調査の請求を経た後にさらに審査請求をすることもできます。そして、一定の処分および通知については、審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起できないという審査請求前置が定められています。
【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。関税の滞納処分に関する税関長の処分も、関税に関する法律の規定による税関長の処分ですから、当該税関長に対して再調査の請求をすることができます。
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(2) 正しい記述です。再調査の請求の期間は、行政不服審査法により、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月、処分があった日の翌日から起算して1年とされ、正当な理由があるときはこの限りでないとされています。
(3) 誤っている記述です。関税法第93条は、同条各号に掲げる処分または通知の取消しの訴えは、審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起することができないと定め、その第2号に、第69条の2第3項(輸出してはならない貨物)または第69条の11第3項(輸入してはならない貨物)の規定による通知を掲げています。本肢の通知は後者、すなわち輸入されようとする貨物が風俗を害すべき物品や児童ポルノに該当すると認めるのに相当の理由がある旨の通知に当たります。したがって、裁決を経ることなく訴えを提起することはできません。第1号の関税の確定もしくは徴収に関する処分または滞納処分とあわせて、この二つが審査請求前置の対象です。
(4) 正しい記述です。関税法第91条は、財務大臣は審査請求について審議会等、すなわち関税等不服審査会に諮問しなければならないとしたうえで、諮問を要しない場合を列挙しています。その第3号が、行政不服審査法第46条第1項の規定により審査請求に係る処分の全部を取り消す場合です。ただし、その全部取消しについて反対する旨の意見書が提出されている場合や、口頭意見陳述においてその旨の意見が述べられている場合は除かれます。審査請求人が全部勝つ結論であれば、わざわざ諮問して手続を長引かせる必要がないためです。
(5) 正しい記述です。行政事件訴訟法は、審査請求があった日から3月を経過しても裁決がないときは、裁決を経ないで処分の取消しの訴えを提起することができると定めています。審査請求前置の処分についても、裁決が出ないまま放置されることによる不利益を避けるための例外です。
【審査請求前置になるものを覚える】
関税の確定もしくは徴収に関する処分または滞納処分
輸出してはならない貨物・輸入してはならない貨物に該当する旨の通知
この二つだけが審査請求前置です。それ以外の税関長の処分については、審査請求をせずに直ちに訴えを提起することができます。
出典:第57回 通関士試験 関税法等 第27問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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