次の記述は、関税法第10章に規定する罰則に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマ…
関税法等 関税法等 第28問
次の記述は、関税法第10章に規定する罰則に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)関税法第67条(輸出又は輸入の許可)の輸入申告に際し、偽った書類を提出して貨物を輸入しようとした者は、その行為が税関職員に発見された場合であっても、その発見が当該貨物の輸入の許可前であるときは、関税法の規定に基づき罰せられることはない。
- (2)不正の行為により関税を免れようとする輸入者から通関業務の依頼を受けた通関業者が、当該輸入者から入手した仕入書が偽ったものであると知りながら、税関への輸入申告に際し、その偽った仕入書を提出して貨物を輸入することとなった場合は、当該通関業者も関税法の規定に基づき罰せられることがある。
- (3)関税法第110条第1項(関税を免れる等の罪)の犯罪に係る貨物について、情を知って当該貨物を有償で取得した者は、関税法の規定に基づき罰せられることがある。
- (4)関税法第105条第1項(税関職員の権限)の規定による税関職員の質問に対して偽りの陳述をした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることがある。
- (5)保税蔵置場において貨物を管理する者であって、その管理する外国貨物について関税法第34条の2(記帳義務)の規定に基づき設けなければならない帳簿について、当該帳簿の記載を偽ったものは、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられることがある。
- (6)誤っている記述はない
正答 (1)
正答は (1)。
【各選択肢の検討】
(1) 誤っている記述です。関税法第110条第1項は、偽りその他不正の行為により関税を免れ、または関税を納付すべき貨物について関税を納付しないで輸入した場合の罰則を定め、同条第3項は「前二項の犯罪の実行に着手してこれを遂げない者についても、これらの項の例による」として、未遂を処罰の対象としています。偽った書類を提出して貨物を輸入しようとした行為が輸入の許可前に発見されたのであれば、既遂には至っていなくとも未遂として罰せられることがあります。さらに同条第5項は、同罪を犯す目的でその予備をした者も処罰の対象としており、予備の段階から処罰される重い犯罪であることが分かります。
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(2) 正しい記述です。関税法第110条第2項は、通関業者の偽りその他不正の行為により関税を免れることとなった場合における当該行為をした通関業者についても第1項の例によると定めています。偽った仕入書であることを知りながら提出したのであれば、通関業者自身が処罰の対象になり得ます。依頼者の言うとおりにしただけだという弁解は通りません。
(3) 正しい記述です。関税法第112条は、第110条第1項の犯罪に係る貨物について、情を知ってこれを有償または無償で取得した者などを処罰の対象としています。犯罪に係る貨物の流通を断つための規定です。
(4) 正しい記述です。関税法第114条の2は、第105条第1項の規定による税関職員の質問に対して答弁せず、もしくは偽りの陳述をし、またはその職務の執行を拒み、妨げ、もしくは忌避したときについて、1年以下の拘禁刑(令和7年5月までは懲役)または50万円以下の罰金に処すると定めています。
(5) 正しい記述です。関税法第115条の2は、記帳義務の規定に違反して帳簿の記載をせず、もしくは偽り、または帳簿を隠したときについて、1年以下の拘禁刑(令和7年5月までは懲役)または30万円以下の罰金に処すると定めています。
【法定刑の目安】
関税を免れる等の罪 10年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金、またはその併科
税関職員の質問への虚偽の陳述 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
帳簿の記載の懈怠や虚偽 1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
ほ脱犯は税の徴収そのものを害する行為であり、桁違いに重く扱われます。50万円と30万円の違いのように細かい数字も問われますので、条文の順に並べて確認しておいてください。
出典:第57回 通関士試験 関税法等 第28問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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