次の記述は、輸入通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。…
通関実務 通関実務 第3問
次の記述は、輸入通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)本邦に住所及び居所(事務所及び事業所を除く。)を有しない個人が貨物を本邦に輸入しようとする場合には、税関関係手続及びこれに関する事項を処理させるための税関事務管理人を定めた上で、関税法の規定に基づく輸入の手続を行わなければならない。
- (2)原産地についての表示がされていない外国貨物については、輸入の許可を受けることができない。
- (3)関税法第73条第1項の規定による輸入の許可前における貨物の引取りの承認に係る申請があった場合に、輸入貨物である原料の在庫がなく工場の操業等に支障をきたすために、その申請者において特に輸入貨物の引取りを急ぐ理由があると認められるときは、税関長は当該承認をすることができることとされている。
- (4)輸入しようとする貨物について地域的な包括的経済連携協定(RCEP協定)における関税についての特別の規定による便益に係る税率の適用を受けようとする場合には、当該貨物がその種類又は形状によりその原産地が明らかであると税関長が認めたものであっても、当該協定の規定に基づく締約国原産地証明書又は締約国原産品申告書を税関長に提出しなければならない。
- (5)輸入しようとする貨物について予備審査制に基づく予備申告がされた場合には、当該貨物が保税地域に搬入された後でなければ、税関長は、輸入者に対し、当該貨物に係る税関検査の要否を通知することができないこととされている。
正答 (1)(3)
正答は、(1)、(3) の二つです。
【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。関税法第95条第1項は、個人である申告者等が本邦に住所および居所(事務所および事業所を除く。)を有しない場合において、税関関係手続等を処理する必要があるときは、税関事務管理人を定めなければならないと定めています。輸入申告は税関関係手続に当たりますから、税関事務管理人を定めたうえで手続を行うことになります。国内に連絡先のない者に対して、通知の送達や帳簿の提示を確保するための仕組みです。
(2) 誤りです。関税法第71条第1項が輸入を許可しないとしているのは、原産地について直接もしくは間接に偽った表示、または誤認を生じさせる表示がされている外国貨物です。原産地の表示が全くされていないことは、これらのいずれにも当たりません。原産地表示を義務づける規定は関税法にはなく、無表示であることを理由に輸入が許可されないということはありません。
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(3) 正しい記述です。関税法第73条第1項の輸入の許可前における貨物の引取りの承認は、課税価格の決定などに時間を要する場合に、貨物の引取りを先に認めるための制度です。輸入貨物である原料の在庫がなく工場の操業に支障をきたすなど、申請者において特に引取りを急ぐ理由があると認められるときは、税関長はこの承認をすることができる取扱いとされています。
(4) 誤りです。関税法施行令第61条第1項第2号は、経済連携協定に基づく便益の適用を受けようとする場合に締約国原産地証明書または締約国原産品申告書等を提出すべきものとしていますが、その括弧書きで、税関長が当該貨物の種類または形状によりその原産地が明らかであると認めたものである場合を除いています。したがって、原産地が明らかであると税関長が認めたものについては提出を要しません。なお、課税価格の総額が20万円以下の場合も除かれます。
(5) 誤りです。予備審査制は、貨物が到着する前に申告の内容を審査し、検査の要否などをあらかじめ知らせておくことで、到着後の手続を速やかに進めるための仕組みです。貨物が保税地域に搬入された後でなければ検査の要否を通知できないのでは、制度の意味がありません。予備申告に対しては、搬入の前であっても検査の要否が通知されます。
【予備申告の実益】
予備申告を行っておくと、貨物の到着後に輸入申告を行った段階で、審査区分が既に判明しているため、許可までの時間が大きく短縮されます。検査が必要と分かっていれば、あらかじめ搬入先や作業の段取りを組むこともできます。制度の目的から考えれば、(5)のような肢は趣旨に反することがすぐに分かります。
出典:第57回 通関士試験 通関実務 第3問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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