次の記述は、関税法に規定する輸入してはならない貨物に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、そ…
関税法等 関税法等 第28問
次の記述は、関税法に規定する輸入してはならない貨物に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)税関長は、実用新案権者からの輸入差止申立てに係る貨物について認定手続を執る場合であって、当該貨物を輸入しようとする者からその貨物がその実用新案権を侵害する物品に該当するか否かを争う旨の書面の提出がないときは、当該実用新案権者及び当該貨物を輸入しようとする者に対し当該貨物が当該実用新案権を侵害する物品に該当するか否かについての証拠を提出し、及び意見を述べる機会を与えることを要しない。
- (2)税関長は、輸入されようとする貨物であって、商標権を侵害する物品に該当する貨物であると思料するものについては、認定手続を経た後でなければ、没収して廃棄することができない。
- (3)回路配置利用権者は、自己の回路配置利用権を侵害すると認める貨物が関税法第6章(通関)に定めるところに従い輸入されようとする場合であっても、いずれかの税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、当該貨物が当該回路配置利用権を侵害する物品に該当するか否かについての認定手続を執るべきことを申し立てることはできない。
- (4)特許権者は、自己の特許権を侵害すると認める貨物に関し、当該貨物の蔵置が予定されている場所を管轄する税関長以外の税関長に対し、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出することはできず、また、当該貨物が関税法第6章(通関)に定めるところに従い輸入されようとする場合は、当該貨物が当該特許権を侵害する物品に該当するか否かについての認定手続を執るべきことを申し立てることはできない。
- (5)輸入差止申立てが受理された実用新案権者が、当該申立てに係る貨物についての認定手続が執られている間に、税関長の承認を受けて見本の検査をする場合には、税関職員が立ち会うものとされており、また、当該見本に係る疑義貨物を輸入しようとする者も、税関長に申請し、これに立ち会うことができる。
- (6)誤っている記述はない
正答 (4)
正答は (4)。
【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。輸入差止申立てが受理された貨物について認定手続を執る場合には、関税法施行令により、輸入しようとする者に対し、侵害物品に該当するか否かを争うときは通知を受けた日から起算して10日以内にその旨を記載した書面を提出しなければならない旨が通知されます。その書面の提出がないときは、証拠を提出し、および意見を述べる機会を与えることを要しないという簡素な手続が用意されています。争いのない事案にまで重い手続を課さないための配慮です。
(2) 正しい記述です。関税法第69条の12第5項は、税関長は認定手続を経た後でなければ、輸入されようとする貨物について第69条の11第2項の措置、すなわち没収して廃棄し、または積戻しを命ずることができないと定めています。
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(3) 正しい記述です。関税法第69条の13第1項が輸入差止申立てをすることができる者として掲げているのは、特許権者、実用新案権者、意匠権者、商標権者、著作権者、著作隣接権者もしくは育成者権者または不正競争差止請求権者です。回路配置利用権者は含まれていません。回路配置利用権を侵害する物品は輸入してはならない貨物には当たりますが、差止申立ての主体からは外れています。
(4) 誤っている記述です。関税法第69条の13第1項は「いずれかの税関長に対し」申し立てることができると定めています。貨物の蔵置が予定されている場所を管轄する税関長に限られるものではなく、申立てを受けた税関長または他の税関長が認定手続を執ることになります。どの港に入ってくるか分からない侵害物品に対応するための仕組みですから、申立先を限定しては意味がありません。
(5) 正しい記述です。輸入差止申立てが受理された者が、認定手続が執られている間に税関長の承認を受けて見本の検査をする場合には、税関職員が立ち会うものとされ、また、当該見本に係る疑義貨物を輸入しようとする者も、税関長に申請してこれに立ち会うことができます。見本が不当に扱われないよう、双方の立会いを確保する趣旨です。
【差止申立ての主体】
輸出してはならない貨物についての申立て(第69条の4第1項)と、輸入してはならない貨物についての申立て(第69条の13第1項)とで、掲げられている権利者の範囲は同じです。いずれにも回路配置利用権者は入っていません。この一点だけを覚えておけば、本問の(3)のような肢は迷わず処理できます。
出典:第58回 通関士試験 関税法等 第28問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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