次の記述は、関税定率法第7条に規定する相殺関税に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番…
関税法等 関税法等 第30問
次の記述は、関税定率法第7条に規定する相殺関税に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)外国において生産又は輸出について直接又は間接に補助金の交付を受けた貨物の輸入が、当該補助金の交付を受けた輸入貨物と同種の貨物を生産している本邦の産業に実質的な損害を与える事実がある場合において、当該本邦の産業を保護するため必要があると認められるときは、当該貨物で輸入されるものにつき、相殺関税を課することができる。
- (2)関税定率法第7条第1項に規定する、外国において生産又は輸出について直接又は間接に補助金の交付を受けた貨物の輸入が、当該補助金の交付を受けた輸入貨物と同種の貨物を生産している本邦の産業に実質的な損害を与える事実がある場合における「本邦の産業」とは、当該輸入貨物と同種の貨物の本邦における総生産高に占める生産高の割合が相当の割合以上である本邦の生産者をいうものとされている。
- (3)輸入貨物について相殺関税が課されている場合において、補助金の交付を受けた当該輸入貨物の輸入及び当該輸入が本邦の産業(当該補助金の交付を受けた輸入貨物と同種の貨物を生産しているものに限る。)に実質的な損害を与える事実が当該相殺関税を課することとした期間の満了後に継続するおそれがあると認められるときは、当該期間を延長することができる。
- (4)政府は、関税定率法第7条第1項に規定する本邦の産業に利害関係を有する者から、補助金の交付を受けた貨物の輸入の事実及び当該輸入が同項に規定する本邦の産業に実質的な損害を与える事実についての十分な証拠が提出され、当該貨物に対し相殺関税を課することの求めがあった場合には、これらの事実の有無につき調査を行うものとされており、当該調査は、当該調査を開始した日から6月以内に終了しなければならない。
- (5)関税定率法第7条第5項の規定により相殺関税を課することを求めることができる「本邦の産業に利害関係を有する者」には、外国において輸出について直接に補助金の交付を受けた輸入貨物と同種の貨物の本邦の生産者であって、当該生産者の当該貨物の本邦における生産高の合計が当該貨物の本邦における総生産高の4分の1以上の割合を占めるものが含まれる。
- (6)誤っている記述はない
正答 (4)
正答は (4)。
【相殺関税の仕組み】
関税定率法第7条は、外国において生産または輸出について補助金の交付を受けた貨物の輸入が本邦の産業に実質的な損害等を与える事実がある場合に、本邦の産業を保護するため必要があると認められるときは、貨物、供給者または供給国および期間(5年以内)を指定して、補助金の額と同額以下の関税を課することができると定めています。補助金によってゆがめられた競争条件を元に戻すための制度です。
【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。第7条第1項の要件をそのまま述べたものです。なお、同項は実質的な損害を与える事実のほか、損害を与えるおそれや本邦の産業の確立を実質的に妨げる事実も含めて「本邦の産業に与える実質的な損害等の事実」としています。
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(2) 正しい記述です。第7条第1項にいう「本邦の産業」は、政令により、当該輸入貨物と同種の貨物の本邦における総生産高に占める生産高の割合が相当の割合以上である本邦の生産者をいうものとされています。ごく一部の生産者の事情だけで発動できるものではない、という趣旨です。
(3) 正しい記述です。相殺関税を課することとした期間の満了後に、補助金の交付を受けた貨物の輸入および実質的な損害を与える事実が継続するおそれがあると認められるときは、その期間を延長することができることとされています。期間の満了をもって直ちに状況が改善するとは限らないためです。
(4) 誤っている記述です。第7条第6項の調査は、当該調査を開始した日から「一年以内」に終了するものとされています。6月以内ではありません。補助金の有無や損害の有無を判断するには相応の時間が必要である一方、長期化すれば関係者の負担が大きくなるため、1年という枠が置かれています。なお、暫定措置としての担保の提供命令は、調査が開始された日から60日を経過する日以後でなければできず、その期間は4月以内とされています。
(5) 正しい記述です。相殺関税を課することを求めることができる「本邦の産業に利害関係を有する者」には、当該輸入貨物と同種の貨物の本邦の生産者であって、その生産高の合計が本邦における総生産高の4分の1以上の割合を占めるものが含まれるものとされています。
【数字の整理】
相殺関税を課する期間 5年以内(延長可)
調査の期間 開始の日から1年以内
暫定措置を開始できる時期 調査開始の日から60日を経過する日以後
暫定措置の期間 4月以内
申立てができる生産者の割合 総生産高の4分の1以上
不当廉売関税(第8条)にも同様の枠組みがあり、数字が共通するところと異なるところがあります。両者を並べて確認しておくと理解が固まります。
出典:第58回 通関士試験 関税法等 第30問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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