次の記述は、関税定率法第8条に規定する不当廉売関税に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、そ…
関税法等 関税法等 第30問
次の記述は、関税定率法第8条に規定する不当廉売関税に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
- (1)輸出者と連合している輸入者による輸入された貨物の国内における販売が、当該貨物の輸出のための販売価格及び正常価格より低い価格で行われる場合には、当該販売を不当廉売された貨物の輸入とみなすこととされている。
- (2)政府は、関税定率法第8条第5項の規定による調査が開始された日から60日を経過する日以後において、その調査の完了前においても、十分な証拠により、不当廉売された貨物の輸入の事実及び当該輸入の本邦の産業に実質的な損害を与える事実を推定することができ、当該本邦の産業を保護するため必要があると認められるときは、同条第9項の規定により、暫定的な関税を課することができる。
- (3)関税定率法第8条第1項に規定する正常価格には、その輸入貨物の供給国から本邦以外の国に輸出される当該輸入貨物と同種の貨物の輸出のための販売価格がある場合には、当該供給国における消費に向けられる当該輸入貨物と同種の貨物の通常の商取引における価格があり、かつ、当該価格を正常価格として用いることが適当であると認められるときであっても、当該輸出のための販売価格を用いることとされている。
- (4)関税定率法第8条第5項の規定による調査が開始された場合において、当該調査に係る貨物の輸出者は、政府に対し、当該貨物の不当廉売の本邦の産業に及ぼす有害な影響が除去されると認められる価格に当該貨物の価格を修正する旨の約束又は当該貨物の輸出を取りやめる旨の約束の申出をすることができる。
- (5)政府は、関税定率法第8条第5項の規定による調査を行った結果、不当廉売された貨物の輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実があり、当該本邦の産業を保護するため必要があると認められるときは、貨物、当該貨物の供給者又は供給国及び5年以内の期間を指定し、不当廉売関税を課することができる。
- (6)誤っている記述はない
正答 (3)
正答は (3)。これが誤りです。
【正常価格は、まず供給国の国内価格】
正常価格とは、原則として、その輸入貨物の供給国における消費に向けられる同種の貨物の通常の商取引における価格です。これが得られ、かつ、それを正常価格として用いることが適当であると認められるときは、その価格を用います。
第三国向けの輸出販売価格や、生産費に販売費等を加えて計算した価格を用いるのは、供給国の国内価格が得られない場合や、それを用いることが適当でない場合に限られます。記述は、国内価格があり、しかもそれを用いるのが適当であるときにまで第三国向けの価格を優先させており、順序が逆です。
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【各選択肢の検討】
(1) 正しい記述です。輸出者と連合している輸入者による国内販売が、その貨物の輸出のための販売価格および正常価格より低い価格で行われる場合には、その販売を不当廉売された貨物の輸入とみなすこととされています。輸出者と輸入者がつながっていると、輸出価格を形だけ高く見せることができてしまうため、国内での販売価格を基準に判断する仕組みが置かれています。
(2) 正しい記述です。調査が開始された日から60日を経過する日以後は、調査の完了前であっても、十分な証拠により不当廉売の事実と実質的な損害の事実を推定でき、本邦の産業を保護するため必要があると認められるときは、暫定的な関税を課することができます。調査には時間がかかるため、その間に産業が立ち行かなくなることを避ける措置です。
(3) 誤りです。上記のとおり、正常価格の求め方の順序が逆になっています。
(4) 正しい記述です。調査に係る貨物の輸出者は、政府に対し、価格を修正する旨の約束または輸出を取りやめる旨の約束の申出をすることができます。関税を課すのではなく、輸出者側の自主的な対応によって問題を解いていく道が用意されています。
(5) 正しい記述です。政府は、調査の結果、不当廉売された貨物の輸入が本邦の産業に実質的な損害を与える事実があり、本邦の産業を保護するため必要があると認められるときは、貨物、供給者または供給国、及び5年以内の期間を指定して不当廉売関税を課することができます。
【特殊関税の期間】
不当廉売関税 5年以内の期間を指定
相殺関税 5年以内の期間を指定
緊急関税 4年以内の期間を指定
報復関税 期間を指定
対抗関税 期間を指定
【不当廉売関税の三つの要件】
不当廉売された貨物の輸入の事実があること
本邦の産業に実質的な損害を与え、または与えるおそれがあること
本邦の産業を保護するため必要があると認められること
出典:第59回 通関士試験 関税法等 第30問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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