次の記述は、関税の確定及び納付に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい…

通関実務 通関実務 第3問

次の記述は、関税の確定及び納付に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。

正答 (4)(5)
正答は、(4)、(5) の二つです。 【関税の確定と納付の骨組み】 関税額の確定方式には申告納税方式と賦課課税方式があり、関税法第6条の2がその区分を定めています。申告納税方式は、納付すべき税額が納税義務者のする申告により確定することを原則とし、申告がない場合や、その申告に係る税額の計算が関税に関する法律の規定に従っていなかった場合など、税額が税関長の調査したところと異なる場合に限って税関長の処分により確定します。賦課課税方式は、納付すべき税額が専ら税関長の処分により確定する方式で、入国者の携帯品や、課税標準となるべき価格が20万円を超えない郵便物などが対象です。本問は、この確定方式に、簡易税率、課税価格の決定、納付受託者への納付の委託、納期限の延長という納付面の論点を重ねて問うものです。
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【各選択肢の検討】 (1) 誤りです。課税価格の合計額が20万円以下の輸入貨物に対する関税の率が、関税定率法第3条の3の少額輸入貨物に対する簡易税率によることとされ、郵便物もその対象となること自体は正しい内容です。しかし、同条第1項ただし書によって適用が除外されるのは、当該輸入貨物を輸入しようとする者(当該輸入貨物が郵便物である場合にはその名宛人)が、当該貨物の全部について簡易税率表によることを希望しない旨を税関に申し出たときです。本肢は、この申出を「関税法第67条の申告を行う旨の申出」にすり替えています。両者は別の制度で、第67条の申告を行う旨の申出は、郵便物を通常の輸出入申告の手続に乗せるためのものであり、この申出をした郵便物は郵便物の簡易手続の対象から外れ、賦課課税方式ではなく申告納税方式が適用されることになります。つまり本肢は、条文のただし書を取り違えているうえ、前提として置いた「賦課課税方式が適用される郵便物」という状態そのものが失われる場面を持ち出しており、二重に成り立ちません。 (2) 誤りです。輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物について、その輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合の価格を課税価格とする特例は、関税定率法第4条の6第2項に置かれています。ただし、この特例が働くのは、本邦に入国する者が携帯して輸入する貨物その他その輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物であって、かつ、当該貨物の輸入者の個人的な使用に供されると認められるものである場合に限られます。本肢は「輸入後に日本国内で業として販売すると認められるもの」としていますから、個人的な使用に供されるという要件を満たしません。したがって課税価格は、課税価格の決定の原則に戻り、現実に支払われた又は支払われるべき価格に加算要素を加えた取引価格によることになります。小売取引の段階かどうかだけを見て特例に飛びつかせる作りで、要件が二つあることを知っているかが分かれ目です。 (3) 誤りです。納付受託者への納付の委託については、関税法に、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを使用して行う納付受託者に対する通知に基づいて関税を納付しようとする場合において、納付受託者がその委託を受けたときは、当該委託を受けた日に当該関税の納付があったものとみなして、附帯税に関する規定を適用する旨の定めがあります。本肢は「その納付がされた日」としている点が誤りです。納付受託者が実際に国に納付するのは委託を受けた日より後になりますから、納付の日を基準にすると、納税者が期限内に委託していても延滞税が生じかねません。委託の日をもって納付があったものとみなすのは、そうした不利益を納税者に負わせないための規定です。 (4) 正しい記述です。関税法第9条の2第1項は、申告納税方式が適用される貨物を輸入しようとする者が同法第7条第2項の規定による輸入申告書を提出した場合において、納期限の延長を受けたい旨の申請書をその税関長に提出し、かつ、当該輸入申告書に記載した関税額の全部又は一部に相当する額の担保を提供したときは、関税額が提供された担保の額を超えない範囲内で、納期限を3月以内に限り延長することができると定めています。いわゆる個別延長方式です。特例委託輸入者は特例申告を行うことができる者ですが、特例申告によらずに輸入申告と併せて納税申告を行うことも可能ですから、その場合にはこの第1項の適用を受けます。なお、特例委託輸入者が期限内特例申告書を提出した場合の延長は同条第4項の問題となり、期間は2月以内で、担保の提供が要件とされている点は同じです。 (5) 正しい記述です。関税法第6条の2第1項第1号は、申告納税方式を、納付すべき税額が納税義務者のする申告により確定することを原則としつつ、その申告がない場合又はその申告に係る税額の計算が関税に関する法律の規定に従っていなかった場合その他当該税額が税関長の調査したところと異なる場合に限り、税関長の処分により確定する方式と定義しています。法律の規定に従わない課税標準の計算や税率の適用がされていた場合は、まさにこの後段に当たりますから、更正という税関長の処分によって納付すべき税額が確定します。 【混同しやすい二つの申出】 郵便物をめぐっては、名宛人による申出が二種類出てきます。一つは、簡易税率表によることを希望しない旨の申出で、これは関税の率を通常の関税率表によらせるためのものです。もう一つは、関税法第67条の申告を行う旨の申出で、これは郵便物の簡易手続によらず通常の輸入申告を行うためのもので、その結果として確定方式が申告納税方式になります。何を選び直すための申出なのかを区別しておくと、この種の肢は落ち着いて処理できます。

出典:第59回 通関士試験 通関実務 第3問(財務省 税関 公表)出典元ページ

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