輸入しようとする貨物について、経済連携協定における関税についての特別の規定による便益の適用を受けようとする場合において、…
通関実務 通関実務 第6問
輸入しようとする貨物について、経済連携協定における関税についての特別の規定による便益の適用を受けようとする場合において、締約国原産地証明書(当該貨物が経済連携協定の規定に基づき当該経済連携協定の締約国の原産品とされるものであることを証明した書類)又は締約国原産品申告書(当該貨物が経済連携協定の規定に基づき当該経済連携協定の締約国の原産品とされるものであることを申告する書類)を税関長に提出することを要するときがある。このとき、締約国原産品申告書を提出することとなる経済連携協定はどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定
- (2)日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定
- (3)経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定
- (4)日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定
- (5)経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定
正答 (2)(5)
正答は、(2)、(5) の二つです。
【原産地の証明の二つの型】
経済連携協定における関税についての特別の規定による便益の適用を受けようとするときは、関税法施行令第61条第1項第2号により、その貨物が締約国の原産品であることを示す書類を税関長に提出することを要する場合があります。この書類には二つの型があり、一つは、協定締約国の権限ある当局又はその認定を受けた者が証明した書類である締約国原産地証明書、もう一つは、輸出者、生産者又は輸入者が自ら作成する締約国原産品申告書です。前者は第三者証明制度、後者は自己申告制度に対応しています。どちらを提出することになるかは協定ごとに定まっていますから、本問は協定名を見てその類型を思い出せるかを問うものです。なお、締約国原産品申告書を提出する場合には、原則として、契約書、仕入書、価格表、総部品表、製造工程表など、その貨物が締約国原産品であることを明らかにする書類も併せて提出することになります。
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【各選択肢の検討】
(1) 該当しません。日アセアン包括的経済連携協定は、協定締約国の発給機関が発給する原産地証明書による第三者証明制度によっており、提出することとなるのは締約国原産地証明書です。
(2) 該当します。日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定は自己申告制度のみを採用しており、提出することとなるのは締約国原産品申告書です。輸入者が自ら作成することもできます。
(3) 該当しません。日タイ経済連携協定は第三者証明制度によっており、提出することとなるのは締約国原産地証明書です。比較的早い時期に結ばれた二国間の協定には、この型のものが多く残っています。
(4) 該当しません。日インド包括的経済連携協定も第三者証明制度によっており、提出することとなるのは締約国原産地証明書です。
(5) 該当します。日欧州連合経済連携協定は自己申告制度のみを採用しており、提出することとなるのは締約国原産品申告書です。輸出者が作成する原産地に関する申告によるほか、輸入者の知識に基づく申告も認められています。
【協定ごとの整理】
第三者証明のみ 日アセアン、日タイ、日インド、日ベトナム など
自己申告と第三者証明の併用 日豪、地域的な包括的経済連携協定 など
自己申告のみ 日欧州連合、日英、日米、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定
近年に結ばれた協定ほど自己申告に寄っており、輸入者自身が作成できる範囲も広がっています。なお、締約国原産地証明書の定義からは環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定に係るものが除かれており、この協定では締約国原産品申告書しか用いられないことが条文上も明らかにされています。
出典:第59回 通関士試験 通関実務 第6問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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