次の記述は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(以下「CPTPP」という。)における関税についての特…
通関実務 通関実務 第7問
次の記述は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(以下「CPTPP」という。)における関税についての特別の規定による便益に係る税率(以下「CPTPP税率」という。)の適用に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
- (1)CPTPPに基づく締約国原産品申告書を自ら作成した輸入者は、当該締約国原産品申告書をその作成した日から7年間保存しなければならない。
- (2)CPTPP税率の適用を受けようとする貨物を輸入する者は、輸入申告に先立ち文書により原産地に関する照会を行い、当該貨物についてCPTPPに基づく原産品である旨の回答を得た場合には、輸入申告の際に当該貨物に係る締約国原産品申告書を税関長に提出することを要しない。
- (3)課税価格の総額が20万円以下の輸入貨物については、CPTPPに基づく締約国原産品申告書及び運送要件証明書のいずれも税関長に提出することを要しない。
- (4)税関長が、関税暫定措置法第12条の4の規定に基づき、CPTPP税率を適用して輸入申告がされた貨物についてCPTPPに基づく協定締約国の原産品であることの確認を行うことが可能となる期間は、当該貨物の輸入申告の日から5年間とされている。
- (5)CPTPPに基づく締約国原産品申告書は、災害その他やむを得ない理由による場合を除き、これに係る貨物の輸入申告の日において、その作成の日から1年以上を経過したものであってはならない。
正答 (3)(5)
正答は、(3)、(5) の二つです。
【自己申告制度で提出する書類とその期限】
環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定は、原産地の証明を自己申告のみによる協定で、輸入者、輸出者又は生産者が自ら作成した締約国原産品申告書を用います。この協定に基づく税率の適用を受けるためには、原則として、輸入申告の際に締約国原産品申告書と、その貨物が原産品であることを明らかにする書類を税関長に提出し、非原産国を経由して運送された場合には運送要件証明書も提出することになります。本問は、この提出の要否、書類の有効期間、輸入者の保存義務、事後の確認が可能な期間という四つの期限や要件を問うものです。
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【各選択肢の検討】
(1) 誤りです。輸入者が保存すべき締約国原産品申告書及びその関係書類は、関税法上の関税関係書類として、輸入の許可の日の翌日から5年間保存しなければならないこととされています。本肢は期間を7年間とし、起算点も作成の日としている点が誤りです。7年間という期間は関税関係帳簿について定められているものであり、書類は5年間です。帳簿と書類とで期間が異なること、そして起算点が輸入の許可の日の翌日であることを、対にして覚えてください。なお、原産品申告書を作成した輸出者又は生産者の側の保存期間は、その作成の日から5年間とされており、輸入者とは起算点が異なります。
(2) 誤りです。原産地に関する事前照会を行い、その貨物が原産品である旨の文書による回答を得ている場合には、輸入申告書にその回答書の番号を記載することにより、原産品であることを明らかにする書類の提出を省略することができます。しかし、省略できるのはこの明細書や関係書類であって、締約国原産品申告書そのものの提出まで不要になるわけではありません。回答は原産性についての税関の見解を示すものにすぎず、その貨物について便益の適用を求めるという輸入者側の申告は、申告書の提出という形で改めて行う必要があるからです。
(3) 正しい記述です。関税法施行令第61条第1項第2号は、締約国原産品であることを証明し又は申告する書類について「課税価格の総額が20万円以下の貨物に係るものを除く」とし、運送要件証明書についても同じく「課税価格の総額が20万円以下の貨物に係るものを除く」としています。したがって、課税価格の総額が20万円以下の輸入貨物については、締約国原産品申告書も運送要件証明書もいずれも提出を要しません。少額の貨物についてまで書類の提出を求めると、手続の負担が便益に見合わなくなるためです。
(4) 誤りです。この協定に基づく原産品であることの確認を行うことが可能となる期間は、各協定における確認の要請又は記録若しくは文書の保管に係る期間の規定と国内法令の規定に基づいて、協定ごとに定められています。この協定については、締約国原産品申告書の作成の日から5年間とされており、輸入者に対する関係では輸入の許可の日から5年間となります。5年という長さは合っていますが、本肢は起算点を「輸入申告の日」としている点が誤りです。確認は、原産性を裏付ける書類が保管されている間でなければ実効性がありませんから、書類の保管期間に合わせて起算点が定められています。
(5) 正しい記述です。関税法施行令第61条第5項は、締約国原産地証明書及び締約国原産品申告書は、これらに係る貨物の輸入申告の日において、その発給又は作成の日から1年以上を経過したものであってはならないと定め、ただし書で、災害その他やむを得ない理由によりその期間を経過したものであるときはこの限りでないとしています。古い時点の情報に基づく申告書で便益の適用を受けることを避けるための制限で、やむを得ない事情がある場合の例外が置かれている点まで含めて正確な記述です。
【数字の整理】
締約国原産品申告書の有効期間 作成の日から1年(災害その他やむを得ない理由がある場合を除く)
輸入者の関税関係書類の保存 輸入の許可の日の翌日から5年(帳簿は7年)
提出を要しない少額基準 課税価格の総額が20万円以下
期間を問う肢は、年数だけでなく起算点まで一致しているかを必ず確かめてください。本問の(4)のように、年数は合っていて起算点だけがずれている肢が用意されます。
出典:第59回 通関士試験 通関実務 第7問(財務省 税関 公表)出典元ページ
最終更新日
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