次の記述は、関税暫定措置法第12条の4(経済連携協定に基づく締約国原産品であることの確認)の規定に関するものであるが、そ…

通関実務 通関実務 第17問

次の記述は、関税暫定措置法第12条の4(経済連携協定に基づく締約国原産品であることの確認)の規定に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。

正答 (5)
正答は (5)。 【締約国原産品であることの確認】 関税暫定措置法第12条の4は、税関長が、輸入申告がされた貨物について経済連携協定に基づく関税の譲許の便益を適用する場合において、その貨物が協定締約国の原産品であるかどうかの確認をするために必要があるときに、協定の規定に基づいて確認をすることができると定めています。確認の方法としては、輸入する者に対して原産品であることを明らかにする資料の提供を求める方法、協定締約国の権限ある当局や税関当局又は輸出者若しくは生産者に対して質問し若しくは資料の提供を求める方法、輸出者又は生産者の事務所等において同意を得て実地に調査する方法などが掲げられています。そして同条は、一定の場合に、税関長が譲許の便益を与えないことができる旨も定めています。本問の急所は、これらの確認に関する期間が協定ごとに異なることと、便益を与えないことができる場合の要件です。
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【各選択肢の検討】 (1) 誤りです。原産品であることの確認を行うことが可能となる期間は、各協定における確認の要請又は記録若しくは文書の保管に係る期間の規定と国内法令の規定に基づき、協定ごとに定められており、一律ではありません。例えば、産品の輸入から3年間とされているもの、原産地証明書の発給の日から3年間とされているもの、原産地証明書の発給の日又は原産品申告書の作成の日から5年間とされているものなど、年数も起算点もさまざまです。「いずれの経済連携協定によらず輸入申告の日から5年間」と言い切る本肢は成り立ちません。 (2) 誤りです。関税暫定措置法第12条の4は、協定締約国の権限ある当局等に対する質問又は資料の提供の求めについて、回答又は資料の提供をすべき相当の期間を定めて、書面をもってすると規定するにとどめており、期間の長さを法律で一律に定めてはいません。実際にも、この相当の期間は協定ごとに異なっており、3か月とされているもの、6か月とされているもの、10か月とされているもの、30日以上とされているものなどがあります。「いずれの経済連携協定によらず5か月」とする本肢は、その内容においても誤りです。 (3) 誤りです。確認の方法として最初に掲げられているのが、当該貨物を輸入する者に対し、その貨物が締約国原産品であることを明らかにする資料の提供を求める方法であり、これは協定の別を問わず用いられる基本的な方法です。日欧州連合経済連携協定は自己申告制度による協定で、輸入者の知識に基づく申告も認められていますから、輸入者に対して資料の提供を求めることができないとすれば、確認そのものが成り立ちません。同協定においても、輸入者に対する資料の提供の求めは当然に行うことができます。 (4) 誤りです。関税暫定措置法第12条の4は、税関長が譲許の便益を与えないことができる場合として、当該貨物が譲許の便益の適用を受けるための要件を満たしていないとき、当該貨物を輸入する者が譲許の便益の適用を受けるために必要な手続をとらないとき、質問や資料の提供の求めに対して定められた期間内に回答若しくは資料の提供がないとき又は提供された資料が十分でないときなどを掲げています。必要な手続をとらない場合はまさにこの一つに当たりますから、それでも便益を与えなければならないとする本肢は誤りです。便益は、所定の手続を経て原産性が確かめられることを前提に与えられるものだからです。 (5) 正しい記述です。前記のとおり、税関長は、経済連携協定の規定に基づき関税の譲許の便益の適用を受けようとする貨物について、当該貨物が当該譲許の便益の適用を受けるための要件を満たしていないときは、当該協定の規定に基づき、その譲許の便益を与えないことができることとされています。地域的な包括的経済連携協定も経済連携協定の一つですから、この規定がそのまま当てはまります。 【この条文の読みどころ】  確認の方法      輸入者、協定締約国の当局、輸出者又は生産者に対する質問や資料の求め、実地の調査など。  期間         確認が可能な期間も、回答の期限となる相当の期間も、協定ごとに異なる。  便益を与えない場合  要件を満たさないとき、必要な手続をとらないとき、回答や資料が得られないとき等。 「いずれの協定によらず」という言い回しが出てきたら、まず疑ってかかるのが安全です。協定ごとに条件が違うという点こそが、この条文の性格だからです。

出典:第59回 通関士試験 通関実務 第17問(財務省 税関 公表)出典元ページ

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