層流と乱流の性質(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選べ。…
航空工学 第2問
層流と乱流の性質(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選べ。(a)乱流は層流よりも境界層が厚い。(b)層流は乱流より摩擦抗力が小さい。(c)乱流は剥離しにくく、層流は剥離しやすい。(d)層流中では流速は規則的に変化しているが、乱流中では流速の変化は不規則である。
- (1)1
- (2)2
- (3)3
- (4)4
- (5)なし
正答 (4)
正答は (4)。四つとも正しい記述です。
【層流と乱流】
層流 …… 流れが層状に整然と流れる状態
乱流 …… 流れが不規則に混ざり合う状態
物体の表面に沿った薄い層(境界層)は、前縁付近では層流で、下流へ行くにつれて乱流に遷移します。
【(d)流速の変化】
層流 …… 流速の変化が規則的
乱流 …… 流速の変化が不規則
これが両者の定義そのものです。乱流では小さな渦が絶えず発生し、速度が細かく揺らぎます。
【(a)境界層の厚さ】
乱流のほうが厚い
乱流では渦によって上下方向にも運動量が運ばれるため、物体の影響が流れの上方まで及びます。
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【(b)摩擦抗力】
層流のほうが小さい
乱流では、速い上層の流れが渦で表面近くまで運ばれてきます。表面での速度勾配が急になり、そのぶん摩擦が大きくなります。
【(c)剥離のしにくさ】
乱流のほうが剥離しにくい
一見すると矛盾するようですが、ここが要点です。
乱流 …… 上層の運動エネルギーを表面近くまで運ぶ
→ 逆圧力勾配に耐えられる → 剥離しにくい
層流 …… 表面近くの流れがエネルギーに乏しい
→ 逆圧力勾配に負ける → 剥離しやすい
【摩擦は増えるが剥離は減る】
乱流には相反する二つの性質があります。
摩擦抗力 …… 増える(不利)
剥離 …… しにくい(有利)
剥離が起これば、摩擦抗力の増加とは比べものにならないほど大きな圧力抗力が生じ、揚力も失われます。
そこで、あえて乱流にするという設計が成り立ちます。
【ボルテックス・ジェネレーター】
主翼上面に並ぶ小さな翼片は、まさにこのためのものです。
意図的に渦を作る
→ 境界層を乱流にする
→ 剥離を遅らせる
→ 失速を遅らせ、高迎角でも揚力を保つ
摩擦抗力の増加という代償を払っても、剥離を防ぐほうが得だという判断です。
【まとめ】
乱流 …… 境界層が厚い/摩擦が大きい/
剥離しにくい/流速の変化が不規則
層流 …… 境界層が薄い/摩擦が小さい/
剥離しやすい/流速の変化が規則的
出典:平成31年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問2(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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