IRS (慣性基準装置)に関する説明で次のうち誤っているものはどれか。…
航空工学 第17問
IRS (慣性基準装置)に関する説明で次のうち誤っているものはどれか。
- (1)アラインメントでは、加速度計などを使って IRU 内に仮想のプラットホームを基準とする航法座標系を設定する。
- (2)算出データには、機体姿勢と変化率、機首方位(真方位)、加速度(3軸)、速度(水平、垂直方向)、航法データ(位置、航路、高度、風向、風速)などがある。
- (3)風向、風速の算出に必要な真対気速度は CADC から得ており、磁方位の算出に必要な磁気偏角はフラックス・バルブから得ている。
- (4)最新の機体では、機体が動いていても、飛行中でも、再アラインメントが可能となっているものもある。
正答 (3)
正答は (3)。磁気偏角をフラックス・バルブから得ることはありません。
【IRSは磁気に頼らない】
慣性基準装置(IRS)は、ジャイロと加速度計だけで姿勢・方位・位置を求める装置です。外部からの電波も地磁気も使いません。
アラインメントの際に地球の自転を検出して真北を定めるため、IRSが直接出すのは真方位です。
【磁方位はどうやって出すのか】
真方位から磁方位を求めるには磁気偏角が要りますが、IRSはこれを
内部に持っている磁気偏角のデータベース
から、現在位置に応じて読み出します。緯度・経度がわかっていればその地点の偏角は計算で求まるので、磁気センサーは不要です。
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記述(3)は、ここをフラックス・バルブ(地磁気を検出するセンサー)としている点が誤りです。フラックス・バルブはジャイロシン・コンパス系統で使うもので、IRSの構成品ではありません。
なお、「真対気速度をCADCから得ている」という前半は正しい記述です。風向・風速は対地速度ベクトルと対気速度ベクトルの差として求めるため、外部から真対気速度をもらう必要があります。
【ほかの選択肢】
(1)アラインメントでは、加速度計などを使ってIRU内に仮想のプラットホームを基準とする航法座標系を設定します。実際に機械的な台を水平に保つのではなく、計算でつくるのがストラップダウン方式です。
(2)算出データには、機体姿勢と変化率、真方位の機首方位、3軸の加速度、水平・垂直方向の速度、位置・航路・高度・風向・風速などがあります。
(4)最新の機体では、機体が動いていても、飛行中でも再アラインメントが可能なものがあります。
【自蔵航法であることが本質】
IRSの長所は、外部に何も頼らないことです。電波妨害も地磁気の乱れも受けません。「外部のセンサーから○○を得ている」という記述が出たら、それが本当に必要かを疑ってください。
出典:令和5年7月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問17(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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