エックス線の測定に用いるGM計数管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
エックス線の測定に関する知識 第29問
エックス線の測定に用いるGM計数管に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)GM計数管では、出力パルスの電圧が他の検出器に比べ、格段に大きいという特徴がある。
- (2)GM計数管の不感時間は、100~200 µs程度である。
- (3)GM計数管では、入射放射線のエネルギーを分析することはできない。
- (4)GM計数管では、入射する放射線が非常に多くなると、弁別レベル以下の放電が連続し、出力パルスが得られなくなる現象が起こる。
- (5)GM計数管は、プラトー部分の中心部から少し高い印加電圧で使用する。
正答 (5)
正答は (5)。これが誤りです。
GM計数管は、プラトー部分の中心部よりやや低い印加電圧で使用します。「中心部から少し高い印加電圧」は誤りです。
【なぜやや低めなのか】
プラトーの高いほうの端は、連続放電領域に近い
電圧が高すぎると、わずかな変動で連続放電に入ってしまいます。また、放電が激しくなるほど計数管の寿命を縮めます。
低めに設定しておけば、電源の電圧が多少ぶれても、プラトーの中に収まります。上に余裕をもたせるのです。
【プラトー】
印加電圧を上げても計数率がほとんど変わらない範囲
解説の続きをみる続きを閉じる
→ プラトーが長く、傾斜が小さいほど、計数管として性能が
よい
この範囲で使えば、電源の変動が計数率に影響しません。
【ほかの選択肢】
(1) GM計数管では、出力パルスの電圧が他の検出器に比べ、
格段に大きい 正しい
(2) GM計数管の不感時間は、100~200µs程度
正しい
(3) GM計数管では、入射放射線のエネルギーを分析することは
できない 正しい
(4) 入射する放射線が非常に多くなると、弁別レベル以下の放電が
連続し、出力パルスが得られなくなる(窒息現象)
正しい
【出力パルスが大きいわけ】
電子なだれが管全体に広がる
管の限界まで増幅されるので、増幅器なしでも数えられるほど大きな信号が出ます。回路が簡単で済むのが利点です。
【エネルギーが分析できないわけ】
もとの電離量によらず、同じ大きさのパルスが出る
大きい信号が得られる代わりに、エネルギーの情報は失われます。
(1)と(3)は、同じ性質の裏表です。
【窒息現象】
線量率が高すぎて、指示がゼロになる
「線量が低い」と誤解させるので、極めて危険です。GM計数管式サーベイメータを高線量率の場所で使ってはならない、最大の理由です。
【不感時間】
放電後、まったく検出できない時間
100~200µs と長く、数え落としの原因になります。補正には分解時間を使います。
出典:エックス線作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「エックス線の測定に関する知識」のほかの問題
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第29問ある放射線測定器を用いてt秒間放射線を測定し、計数値Nを得たとき、計数率の標準偏差(cp
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第28問放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第26問放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2023年下半期(2024年4月公表) 第24問サーベイメータに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第22問次のAからDの放射線検出器について、その出力が放射線のエネルギーの情報を含むものの全ての
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第30問放射線防護のための被ばく線量の算定に関する次のAからDの記述について、正しいものの全ての
スポンサーリンク

