生体に対する放射線効果に関する次のAからDの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第38問
生体に対する放射線効果に関する次のAからDの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。A 平均致死線量は、ある組織・臓器の個々の細胞を死滅させる最小線量を、その組織・臓器全体にわたり平均した線量で、この値が大きい組織・臓器の放射線感受性は高い。B 半致死線量は、被ばくした集団中の個体の50%が一定期間内に死亡する線量であり、動物種の放射線感受性を比較するときなどに用いられる。C 全致死線量は、半致死線量の2倍に相当する線量であり、この線量を被ばくした個体は数時間から数日のうちに死亡してしまう。D OER(酸素増感比)とは、酸素が存在しない状態と存在する状態とを比較し、同じ生物効果を与える線量の比で、酸素効果の大きさを表すものである。
- (1)A,C
- (2)A,D
- (3)B,C
- (4)B,D
- (5)C,D
正答 (4)
正答は (4)。B,D が正しい記述です。
【正しいもの】
B 半致死線量は、被ばくした集団中の個体の50%が一定期間内
に死亡する線量であり、動物種の放射線感受性を比較するときなどに用いられる
D OER(酸素増感比)とは、酸素が存在しない状態と存在する
状態とを比較し、同じ生物効果を与える線量の比
【誤っているもの】
A 平均致死線量は、細胞の生存率が37%になる線量。
また「値が大きいほど感受性が高い」も逆
C 全致死線量は、半致死線量の2倍とは限らない
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【平均致死線量(D₀)】
細胞の生存率が37%になる線量
37%という半端な数字は、1/e(eは自然対数の底)から来ます。指数関数的に減る曲線で、1回の致死的な傷を受ける平均線量にあたります。
値が大きい → たくさん当てないと死なない → 感受性が低い
値が小さい → 少しで死ぬ → 感受性が高い
値と感受性は逆向きです。
【AとBの対比】
A 細胞の話(平均致死線量)
B 個体の話(半致死線量)
名前は似ていますが、扱う相手が違います。
【Cが誤りなわけ】
ヒトでは、LD₅₀/₆₀が約4Gy、全致死線量は約7Gy
2倍より小さい開きです。また、「数時間から数日のうちに死亡」というのは中枢神経死(20Gy以上)の話です。全致死線量(約7Gy)では、造血器の障害により30~60日で死亡します。
線量の関係も、期間も違っています。
【酸素効果】
酸素があると、ラジカルが安定な過酸化物になり、傷が固定される
修復されにくくなるので、影響が大きくなります。間接作用に関わる現象です。
OER = 低酸素下で必要な線量 ÷ 酸素下で必要な線量
酸素下では少ない線量で済むので、OERは1より大きい値(低LET放射線でおよそ2~3)になります。
【半致死線量の使い道】
動物種の放射線感受性を比較する
同じ条件で測れば、どの種が放射線に弱いかが分かります。
出典:エックス線作業主任者 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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