放射線の生体影響などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第33問
放射線の生体影響などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)線量率効果とは、同じ線量を照射する場合に、線量率を低くすると、生物効果が小さくなることをいう。
- (2)酸素増感比(OER)は、酸素が存在しない状態と存在する状態とを比較し、同じ生物効果を与える線量の比で、酸素効果の大きさを表すものである。
- (3)温度が上昇すると放射線の生物効果は大きくなり、低温になると生物効果は小さくなることを温度効果という。
- (4)平均致死線量は、被ばくした集団のうち50%の個体が一定の期間内に死亡する線量である。
- (5)組織加重係数は、各組織・臓器の確率的影響に対する相対的な放射線感受性を表す係数であり、組織加重係数の合計は1である。
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
平均致死線量は、細胞の生存率が37%になる線量です。「被ばくした集団のうち50%の個体が一定の期間内に死亡する線量」は、半致死線量の説明です。
【二つを区別する】
平均致死線量(D₀) 細胞の生存率が37%になる線量
半致死線量(LD₅₀) 個体の50%が死亡する線量
→ 細胞の話か、個体の話かが違う
【37%という数字】
1/e(eは自然対数の底)から来る
指数関数的に減る曲線で、1回の致死的な傷を受ける平均線量にあたります。細胞の放射線感受性を表す指標です。
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【値と感受性の関係】
値が大きい → たくさん当てないと死なない → 感受性が低い
値が小さい → 少しで死ぬ → 感受性が高い
値と感受性は逆向きです。
【ほかの選択肢】
(1) 線量率効果とは、同じ線量を照射する場合に、線量率を
低くすると生物効果が小さくなること 正しい
(2) 酸素増感比(OER)は、酸素が存在しない状態と存在する
状態とを比較し、同じ生物効果を与える線量の比
正しい
(3) 温度効果 温度が上昇すると生物効果は大きくなり、低温に
なると小さくなる 正しい
(5) 組織加重係数は、各組織・臓器の確率的影響に対する相対的な
放射線感受性を表し、合計は1 正しい
【線量率効果】
ゆっくり当てると、傷を修復する時間がある
同じ1Gyでも、一瞬で当てれば傷が一度に生じ、修復が追いつきません。何時間もかけて当てれば、できた傷から順に直していけるので、残る傷が少なくなります。
【温度効果】
温度が下がる → ラジカルが動きにくくなる
→ 生体高分子に出会う前に消えてしまう
→ 間接作用が減る
低温で影響が小さくなるのは、間接作用が抑えられるためです。
【酸素効果】
酸素があると、ラジカルが安定な過酸化物になり、傷が固定される
OERは、低酸素下と酸素下で同じ効果を出すのに要る線量の比。低LET放射線でおよそ2~3です。
【組織加重係数】
体全体を1としたときの、各組織の受け持つ割合
がんの起こりやすさの重みなので、確率的影響に対応します。
出典:エックス線作業主任者 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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