放射線による遺伝的影響等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第39問
放射線による遺伝的影響等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)生殖腺が被ばくしたときに生じる障害は、全て遺伝的影響である。
- (2)親の体細胞に突然変異が生じても、子孫に遺伝的影響が生じるおそれはない。
- (3)胎内被ばくを受け、出生した子供にみられる発育遅延は、遺伝的影響である。
- (4)染色体異常の種類には、放射線の照射を受けた細胞周期に応じて、フレームシフト、置換などがある。
- (5)倍加線量は、放射線による遺伝的影響を推定する指標とされ、その値が小さいほど遺伝的影響は起こりにくい。
正答 (2)
正答は (2)。親の体細胞に突然変異が生じても、子孫に遺伝的影響が生じるおそれはありません。
【体細胞と生殖細胞】
体細胞の突然変異 → その人自身のがんなど
生殖細胞の突然変異 → 子孫への遺伝的影響
子孫に伝わるのは、生殖細胞(精子・卵子のもと)の情報だけです。皮膚や肺の細胞がどう変異しても、子には伝わりません。
【ほかの選択肢】
(1) 生殖腺が被ばくしたときに生じる障害には、不妊(身体的影響)
もある → 「全て遺伝的影響」は誤り
(3) 胎内被ばくによる発育遅延は、被ばくした胎児自身に現れる
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身体的影響
(4) フレームシフト、置換は遺伝子突然変異の種類。染色体
異常とは別
(5) 倍加線量は、その値が小さいほど遺伝的影響が起こりやすい
【(1)が誤りなわけ】
生殖腺には、生殖細胞とそのほかの組織がある
生殖細胞が傷つく → 遺伝的影響(子孫に現れる)
生殖腺そのものが傷つく → 不妊(本人に現れる)
不妊は身体的影響です。「生殖腺の被ばく=遺伝的影響」と決めつけられません。
【(3)が誤りなわけ】
胎児は、母親の胎内で自分が被ばくした
その子自身に現れる影響ですから、身体的影響です。「胎内」という言葉から遺伝を連想させる引っかけです。
【(4)が誤りなわけ】
遺伝子突然変異 DNAの塩基配列が変わる
→ 置換、欠失、挿入、フレームシフト
染色体異常 染色体の構造や数が変わる
→ 欠失、逆位、転座、重複
フレームシフトや置換は、塩基配列の話です。染色体異常の種類には入りません。
【(5)が誤りなわけ】
倍加線量 = 突然変異率を自然の2倍にする線量
値が小さい → 少ない線量で2倍になる → 起こりやすい
値が大きい → たくさん当てないと2倍にならない
→ 起こりにくい
値と起こりやすさは逆向きです。ヒトでは約1Gyと推定されています。
【身体的影響と遺伝的影響】
身体的影響 被ばくした本人に現れる
遺伝的影響 子孫に現れる
出典:エックス線作業主任者 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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