エックス線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の管理に関する知識 第6問
エックス線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)コンプトン効果とは、原子のK殻、L殻等の内殻電子がエックス線光子のエネルギーの一部を吸収して原子の外に飛び出し、入射エックス線が散乱される現象である。
- (2)コンプトン効果は、必ず特性エックス線の発生を伴う。
- (3)光電効果が起こる確率は、物質の原子番号が大きくなるほど増大する。
- (4)光電効果により光子エネルギーが原子に吸収されて光子は消滅し、このとき入射エックス線に等しい運動エネルギーを持つ電子が放出される。
- (5)電子対生成は、入射エックス線のエネルギーが、電子1個の静止質量に相当するエネルギー以上であるときに生じる。
正答 (3)
正答は (3)。光電効果が起こる確率は、物質の原子番号が大きくなるほど増大します。
【原子番号との関係】
光電効果 原子番号の4~5乗に比例(強く効く)
コンプトン効果 原子番号に比例(電子の数に比例)
鉛(原子番号82)が遮蔽材に使われるのは、光電効果が原子番号に強く効くためです。
【ほかの選択肢】
(1) コンプトン効果は、外殻の(自由に近い)電子との相互作用。
内殻電子との作用は光電効果
(2) コンプトン効果は、特性エックス線の発生を必ずしも伴わない
(4) 光電子の運動エネルギーは、入射エネルギー − 結合エネルギー。
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入射エックス線に等しくはない
(5) 電子対生成は、入射エネルギーが電子2個分の静止質量に
相当するエネルギー(1.02MeV)以上のときに生じる
【(1)と(3)の関係】
(1)は光電効果の説明に「コンプトン効果」という名を付けたもの
内殻電子を弾き出すのが光電効果です。コンプトン効果は、束縛のゆるい外殻電子を弾きます。内殻か外殻かが見分けの手がかりになります。
【(2)が誤りなわけ】
特性エックス線が出るのは、内殻に空きができたとき
光電効果 内殻電子を弾く → 特性エックス線を伴う
コンプトン効果 外殻電子を弾く → 伴わないことが多い
外殻の空きは、すぐ外から埋まります。エネルギー差が小さく、エックス線としては出てきません。
【(4)が誤りなわけ】
光電子の運動エネルギー = 入射エネルギー − 結合エネルギー
電子を軌道から引きはがすのに、結合エネルギーの分だけ使われます。残りが運動エネルギーになります。
【(5)が誤りなわけ】
電子対生成では、電子と陽電子が対で生まれる
二つの粒子が生まれるのですから、その二つ分の質量に相当するエネルギーが要ります。電子1個の静止質量は約0.51MeV。その2倍で1.02MeVです。
【エネルギーによる主役の交代】
低い → 光電効果
中間 → コンプトン効果
高い → 電子対生成(1.02MeV以上)
出典:エックス線作業主任者 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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