放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の測定に関する知識 第27問
放射線の測定などについての用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)半導体検出器において、放射線が半導体中で1個の電子・正孔対を作るのに必要な平均エネルギーをε値といい、シリコン結晶の場合は、約3.6eVである。
- (2)気体に放射線を照射したとき、1個のイオン対を作るのに必要な平均エネルギーをW値といい、気体の種類にあまり依存せず、放射線のエネルギーに応じてほぼ一定の値をとる。
- (3)線量率計の積分回路の時定数は、線量率計の指示の即応性に関係した定数で、時定数の値を小さくすると、指示値の相対標準偏差は小さくなるが、応答速度は遅くなる。
- (4)入射放射線の線量率が低く、測定器の検出限界に達しないことにより計測されないことを数え落としという。
- (5)放射線測定器の指針が安定せず、ゆらぐ現象をフェーディングという。
正答 (1)
正答は (1)。これが正しい記述です。
半導体検出器において、放射線が半導体中で1個の電子・正孔対を作るのに必要な平均エネルギーをε値といい、シリコン結晶の場合は約3.6eVです。
【ε値とW値】
ε値 半導体で電子・正孔対を作るエネルギー
シリコン 約3.6eV
W値 気体でイオン対を作るエネルギー
空気 約34eV
→ 半導体のほうが約10分の1
同じエネルギーの放射線から、約10倍多くの電荷が生まれます。数が多いほど統計的なばらつきが相対的に小さくなるので、エネルギー分解能が高くなります。
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【ほかの選択肢】
(2) W値は気体の種類によって決まり、放射線のエネルギーには
あまり依存しない → 記述が逆
(3) 時定数の値を小さくすると、指示値の相対標準偏差は
大きくなり、応答速度は速くなる → 両方とも逆
(4) 数え落としは、線量率が高く、分解時間内に入射した
放射線が計測されないこと → 「低く」は誤り
(5) フェーディングは、蓄えられた情報が時間とともに失われる
現象 → 指針のゆらぎではない
【時定数の働き】
長くする → 指示が安定する(相対標準偏差が小さい)
しかし、応答が遅くなる
短くする → 応答が速い
しかし、指示が揺れる(相対標準偏差が大きい)
安定と速さは両立しません。(3)は「小さくすると、標準偏差が小さく、応答が遅い」として、両方の利点を並べています。そんな都合のよい話はありません。
【相対標準偏差の式】
σ ÷ n = 1 ÷ √(2nT)
T(時定数)が分母の√の中にあります。大きくすれば小さくなる、という関係です。
【W値の性質】
気体の種類による 空気34eV、アルゴン26eVなど
放射線のエネルギーにはよらない
(2)は、この二つを入れ替えています。
【数え落とし】
線量率が高いときに起こる
分解時間の間に来た放射線を数えられません。GM計数管の弱点です。
【フェーディング】
TLDや蛍光ガラス線量計で、時間がたつと読み値が減る
出典:エックス線作業主任者 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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