エックス線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の管理に関する知識 第4問
エックス線と物質との相互作用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)レイリー散乱により散乱されたエックス線の波長は、入射エックス線の波長より長くなる。
- (2)光電効果が生じる確率は、入射エックス線のエネルギーが増大すると、コンプトン効果に比べて急激に低下する。
- (3)光電効果により原子から放出される電子の運動エネルギーは、入射エックス線のエネルギーに等しい。
- (4)コンプトン効果とは、原子のK殻、L殻等の内殻電子がエックス線光子のエネルギーの一部を吸収して原子の外に飛び出し、入射エックス線が散乱される現象である。
- (5)コンプトン効果によるエックス線の散乱は、入射エックス線のエネルギーが高くなると、前方より後方に多く生じるようになる。
正答 (2)
正答は (2)。これが正しい記述です。
光電効果が生じる確率は、入射エックス線のエネルギーが増大すると、コンプトン効果に比べて急激に低下します。
【エネルギー依存性】
光電効果 エネルギーの3乗に反比例するほど急激に減る
コンプトン効果 ゆるやかに減る
だから、エネルギーが上がるにつれて主役が光電効果からコンプトン効果へ移ります。
【ほかの選択肢】
(1) レイリー散乱では、散乱されたエックス線の波長は変わら
ない(弾性散乱)
(3) 光電子の運動エネルギーは、入射エネルギー − 結合エネルギー。
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入射エネルギーに等しくはない
(4) コンプトン効果は、外殻の(自由に近い)電子との相互作用。
内殻電子との作用は光電効果
(5) コンプトン効果による散乱は、エネルギーが高くなると
前方に多く生じる。後方ではない
【三つの相互作用の見分け】
光電効果 内殻電子を弾き出し、光子は消滅
コンプトン効果 外殻電子を弾き、光子は残って向きを変える
レイリー散乱 波長が変わらず、向きだけ変える
(4)は、光電効果の説明に「コンプトン効果」という名を付けた
ものです。内殻か外殻かが見分けの手がかりになります。
【光電子のエネルギー】
光電子の運動エネルギー = 入射エネルギー − 結合エネルギー
電子を軌道から引きはがすのに、結合エネルギーの分だけ使われます。残りが運動エネルギーになります。入射エネルギーがそっくり移るわけではありません。
【前方散乱になるわけ】
エネルギーが高いほど、光子はまっすぐ進みたがる
勢いのあるものほど曲がりにくい、という感覚と合います。逆にエネルギーが低いときは、前方と後方に多く、横方向が最も少なくなります。
【原子番号との関係】
光電効果 原子番号の4~5乗に比例
コンプトン効果 原子番号に比例
鉛が遮蔽材に使われるのは、光電効果が原子番号に強く効くためです。
出典:エックス線作業主任者 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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