放射線の生体影響などに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第33問
放射線の生体影響などに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)線量率効果とは、同じ線量を照射する場合に、線量率を低くすると、生物効果が小さくなることをいう。
- (2)全致死線量は、半致死線量の2倍に相当する線量であり、この線量を被ばくした個体は数時間~数日のうちに死亡する。
- (3)半致死線量は、被ばくした集団の全ての個体が一定の期間内に死亡する最小線量の50%に相当する線量である。
- (4)生物効果比(RBE)は、基準となる放射線と問題にしている放射線について、各々の同一線量を被ばくしたときの集団の生存率の比により、線質の異なる放射線の生物効果の大きさを比較したものである。
- (5)線エネルギー付与(LET)とは、物質中を放射線が通過するとき、荷電粒子の飛跡に沿って単位長さ当たりに物質に与えられるエネルギーをいい、エックス線は高LET放射線に分類される。
正答 (1)
正答は (1)。これが正しい記述です。
線量率効果とは、同じ線量を照射する場合に、線量率を低くすると、生物効果が小さくなることをいいます。
【なぜ効果が小さくなるのか】
ゆっくり当てると、傷を修復する時間がある
同じ1Gyでも、一瞬で当てれば傷が一度に生じ、修復が追いつきません。何時間もかけて当てれば、できた傷から順に直していけるので、残る傷が少なくなります。
【ほかの選択肢】
(2) 全致死線量は、被ばくした個体がすべて死亡する線量。
半致死線量の2倍と決まっているわけではない
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(3) 半致死線量は、被ばくした集団の50%が一定の期間内に
死亡する線量 → 記述は回りくどく、内容も違う
(4) RBEは、同じ効果を起こすのに要る線量の比。
「同一線量での生存率の比」ではない
(5) エックス線は低LET放射線 → 「高LET」は誤り
【RBEの定義】
RBE = ある反応を起こす基準放射線の吸収線量
÷ 同じ反応を起こす試験放射線の吸収線量
「同じ効果を出すのに、どれだけの線量が要るか」の比です。線量をそろえて効果を比べるのではなく、効果をそろえて線量を比べます。(4)は、この向きを取り違えています。
【LETによる分類】
低LET エックス線、ガンマ線、β線
高LET 中性子線、α線、重粒子線
エックス線は、飛跡に沿ってまばらにエネルギーを置いていく低LETです。だからRBEの基準放射線としても使われます。
【線量率効果と高LET】
線量率効果は、低LET放射線で顕著
高LET放射線は、一度に二本鎖切断を作ってしまうので、時間をかけても修復されにくい。だから線量率を下げても効果があまり減りません。
【半致死線量と全致死線量】
半致死線量(LD₅₀) 集団の50%が死亡する線量
全致死線量 集団の全てが死亡する線量
ヒトでは、LD₅₀/₆₀が約4Gy、全致死線量は約7Gyとされます。2倍より小さい開きです。
【平均致死線量】
細胞の生存率が37%になる線量(D₀)
個体の死亡を扱う半致死線量とは別の概念です。
出典:エックス線作業主任者 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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